きょうも遅刻した。しかも1時間クラスの遅刻だ。アップルたちと待ち合わせをしていたのは、高架電車サヤーム駅の前にあるサヤームセンターのマクドナルドだった。サヤーム駅まで行くには、ペッブリー18街路にある住まい Venezia Residence から徒歩3分の高架電車ラーチャテーウィー駅まで行って、そこから3分おきぐらいに来る電車に1駅分乗るだけなので、合計で10分ぐらいしかかからない。仮に徒歩で向かったとしても、距離にして1キロぐらいしかないから、15分とかからずに行けるだろう。これではもう言い逃れのしようがない。
サヤームセンターのマクドナルドで朝食をとったあと、高架電車でサヤーム駅からエーガマイ駅まで移動して、そこから徒歩でパッタヤー行きの長距離バスが発着するバスターミナルへ向かった。サヤーム駅で、スィーナカリンウィロート大学に通っている、日本語学校帰りのサとシューにバッタリと出くわした。少しバツが悪かったから挨拶を適当にすませて、すぐにその場から立ち去った。その後、バスターミナルで、アップルやエーンと同じタンマサート大学に通っているプンが合流した。長距離バスはその数分後に出発し、パッタヤーへ向けて走り出した。
パッタヤーには約3時間で到着した。運賃は73バーツだった。エーンの友達が所有しているリゾートマンションはとても巨大で、しかも2部屋もあるスイートルームなのに、なぜかベッドがひとつもなかった。今晩は酒を飲もうという話になって、売場面積が日本の首都圏にあるスーパーの数十倍もあって清潔なショッピングセンターのテスコロータスへ行って、ビールやお菓子のほか、翌朝の朝食などを調達した。
その後、一旦リゾートマンションまで戻ってから、みんなでビーチへ出かけた。いつの間にか、互いに海へ落とし合う遊びが始まって、頭の先まで海水でびしょ濡れになった。
ジーパンが洗濯屋行きになった。洗濯代は20バーツだった。
深夜まで酒を飲み、僕に割り当てられていた隣の部屋へ行って寝ようとしたところ、プンが不思議そうに訪ねてきた。
「なんで、そっちの部屋での寝るの?こっちの部屋じゃ駄目なの?」
―― 日本なら女子と同じ部屋で寝ても問題にはないけれど、タイでは問題になるかと思って無難な選択をしただけだよ。
「それなら、こっちの部屋でも大丈夫ってことよね。そんなに考えすぎることはないよ」
ということで、ベッドのない部屋に4人で横になった。