あまりの学習量に危機感を持ったクラスメイトたちが勉強会をはじめた (初級1-4)

タイ語学習4日目のきょうは、感謝の伝え方について学習した。授業時間の大半が過去3回分の復習に費やされたこともあって、帰宅後の復習はいつもよりかなり楽だった。

それにしても、これからタイ語の語彙を身につけていくにあたって、タイ文字表記と発音表記、どちらを使ったほうが効率よく覚えられるのだろうか。たとえば、きょう新たに登場した「公式に」という単語について考えてみたとき、発音記号表記の penthaaŋkaan より、タイ文字表記の เป็นทางการ と書いてあったほうが覚えやすいような気がする。タイ語の発音表記には、ひとつひとつの声調を正しく覚えられるというメリットがある反面、ただの発音記号にすぎないため、複数の音をひとつの単語として視覚的に認識することが難しいうえ、長母音と短母音の区別があいまいになるというデメリットがある。

放課後、文学部ボーロムラーチャグマーリー館の前にあるベンチで、日本人のクラスメイトたちと勉強会をした。合計6人いる日本人クラスメイトのうち4人が参加し、それぞれ気合いの入れ方はまちまちだったが、さすがに自主的に勉強会を開いているだけあって、復習を怠ったら落ち零れてしまうといった危機意識は共有されているようだった。

今回不参加だった60歳の日本人クラスメイトは、「インテンシブタイは、誰でも好きなときに好きなレベルへ編入できるのだから、誰だって修了できるに決まっているじゃないか」と話していたが、この講座は試験に合格した人だけが編入できるのであって、カネさえ支払えば誰でも無条件に編入できるというわけではない。このとてつもない学習量が精神的に重くのしかかっているなか、ひとりお気楽なこの老人が羨ましくもあるが、もし仮にきょうまでのペースのまま推移した場合、来月に予定されている試験で進級のために最低限必要とされている正答率60%を下回って放校処分を受けることになるだろう。初回の授業のときに、インテンシブタイ・プログラムの規則について講師がすべての受講生に対して英語で辛抱強く繰り返し何度も説明していたが、もしかしたらこの老人にはほとんど理解できていなかったのかもしれない。勘違いをしたまま何の対策もとらずに除籍されたとあってはあまりにも気の毒だから、誰か本当のことを教えてあげればいいのに。

夕方、文学部4号館の前にある広場で文学部の学生自治会によるカラオケ大会がおこなわれた。ちょうどそこに居合わせた日本語学科の1年生は、日本語学科の同じ学年に在籍している合計22人の男子学生のうち、ノーマルな男はせいぜい7人ぐらいで、のこりの15人についてはみんなオカマかゲイのどちらかだと話していた。オカマの学生は、学則によって義務づけられている男子学生の制服を着て通学しているが、用を足すときにはなんと女子トイレへ入ってくるという。

きょうの新出単語22語のうち、僕が知らない単語は全部で7語あった。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。