午前11時、ヂュラーロンゴーン大学文学部のボーロムラーチャグマーリー館706教室で、ドイツ人のクラスメイトは唖然としていた。目覚まし時計の不具合により寝坊して、午前10時の授業開始から1時間遅れでいつもの席に腰を下ろしたときには、きょうのテーマであったタイ語における時刻の言い方の授業がすでに終わっていたからだ。のこりの3時間は、タイ語を使って自分の行動予定を相手に伝えるグループディスカッションに充てられた。
インテンシブタイ・プログラムの進度は半端なく早い。自分は幸いにも開講する2ヶ月前にタイへ来ることができて、友人のタイ人たちと行動をともにしてきたため、まだなんとか授業についていけている。ところが、ほかの受講生たちは、きょうまでの4日間で学んだ語彙だけを使い、しかも1時間の駆け足で習ったばかりの表現を応用して例文を作るほかない。
放課後、文学部ボーロムラーチャグマーリー館前の広場でクラスメイトたちとお茶をしてから、1.9キロほど歩いてラーチャダムリ通りにある伊勢丹へ行き、6階の紀伊国屋書店でタイ語辞典を探してみた。クラスメイトたちは、いま僕が使っている「音で引くタイ日実用辞典」を購入した。