きょうはヂュラーロンゴーン大学文学部主催集中タイ語講座初級2の進級試験日。クラスメイトたちは「タイ文字の音読」が難しかったと話している。あるクラスメイトは講師の制止を振り切って途中で音読を放棄してしまったため、初級3への進級をとても心配している。慣れればパッと見るだけで発音できるようになるらしいが、タイ文字は最大6個のパーツでひとつの音が表現されているため、不慣れな僕たちは頭をフル回転させて、ひとつひとつの要素を分解しながら音読する以外に方法がない。僕自身も食堂のおばちゃんの子供が近くを行ったり来たりしているのに気をとられていたため、ついつい適当に読み流してしまった。これでは高得点は期待できない。試験内容と配点はつぎのとおり。
タイ語聞き取り&書き取り(配点63) タイ文字発音整合化(配点10) 与えられた語句を用いての作文(配点20) 語句の並び替え(配点20) 6行程度の文章読解(配点20) 25行程度のタイ文字音読(配点20)合格最低ライン: 正答率60%以上(153点満点中92点) |
午後7時、高架電車プローンポング駅でクラスメイトたちと再合流し、スクンウィット39小街路にあるイタリア料理店 L’Opera で夕食をとった。味は超ウマ、たくさん飲んでひとり1,075バーツ。タイの物価を考えればべらぼうに高いけれど、たったの3,000円でこんなにたくさんの美味しいイタリア料理が食べられたと思えば割安感すらある。客層は日本人と西洋系外国人ファランが半々程度。昼のランチなら250バーツで楽しめるという。
食後、スクンウィット29小街路にあるイギリス人クラスメイト行きつけのクラブ Bobby’s Arms で酒を飲んだ。女性従業員が隣に来て談笑するというファラン(西洋人)向けの店だが、今回は女性クラスメイトも一緒だったため女性従業員はからかいに来る程度だった。
最後にカウボーイ小街路にある Go Go Bar でノーパンしゃぶしゃぶ状態を満喫する(なんと下品な表現なんだ!)。
「この店には特別な嗜好が凝らされている」
ドイツ人クラスメイトがニコニコ顔でそう話していたが、別に麻薬は売っないし、どこを探しても特別な嗜好なんて見つからない。トイレの小便器に置かれている巨大な氷のことでも言ってんのだろうか。席に戻ってみるとドイツ人クラスメイトが天井を指差した。何かと思えば制服を着ている2階の踊り子たちだった。1階部分の天井がガラス張りになっており――スカートの「中身」が見える。近くにいる店員を呼んで聞いてみると「下着をはいている人もいればはいていない人もいる」という。間近で観察するため別のクラスメイトと2階へ移動。そこには隠し部屋へ通じる扉があって、警察が1階に踏み込んで来たらすぐに身を隠せるような仕掛けになっている。暇そうにしている店員たちと他愛もない話をしていると、取締りの対象となっている裸踊りがはじまっていた。流暢なタイ語は、このような場面でも威力を発揮する。
――とはいえ、タイ語を勉強しているはずの留学生の日記が、どんどん風俗街めぐり日記へと変容しているような気がしてならない。今後もタイ語会話力が向上せずにエイズ感染リスクも高いソープランドの話題にならないことだけは約束できるが、何を隠そうこれが日常なのだから仕方ない。
エーンは午前3時に帰宅した。幼馴染の海軍将校とカーオサーンで飲んでいたという。律儀なのかふてぶてしいだけなのか分からないが、その海軍将校はエーンを部屋の前まで送ってきた。