ドイツ人が見たタニヤ

夜、日本人向けの夜の歓楽街「タニヤ」へクラスメイトたちと出かけた。ここでは以前、色とりどりのドレスを纏ったホステスたちが「オキアクサーン、イラッサイマセー」と声を張り上げていたが、警察の指導で半年ほど前に路上での呼び込みが禁止された。

今晩の目的は、西洋系外国人にはあまり知られていない Bangkok Night をドイツ人好色中年男性に体験してもらうことだった。

そのカラオケスナックは小さなビルの2-3階部分にある。狭い階段には赤い絨毯が敷かれていてホステスたちが鈴なりになっていた。2階部分に一般客室、3階部分にVIPルームと呼ばれる個室がある。

その後、アソーク交差点ちかくのカウボーイ街路にある Go Go Bar “Long Gun” へ行ってドイツ人クラスメイトにタニヤの感想について聞いてみたところ「ぜんぜん面白くない。あんなのでどうして経営が成り立っているのか理解できない」と話していた。

――まったく同感だ。だけど会社の命令でバンコクに来ている日本人も少なくない。なかにはタイ語どころか英語すら話せない人もいる。そんな人たちにとっては、この怪しげな日本語が飛び交っているタニヤだけがオンナノコたちとのコミュニケーションをとれる唯一の場所なんだ。

英語ができるなら Go Go Bar のほうがオススメ。タイ語を勉強したいなら Go Go Bar のまわりにあるオープンバーのほうがオススメ。

タニヤ通りのカラオケスナックには日本のスナックそのまんまの雰囲気がある。しかし安価で過激な娯楽が豊富にあるバンコクで、どうして日本的な制約が付いているサービスのために割高な料金を支払わなければならないのか。接待や商談には向いているかもしれないけれど、娯楽として行くのは年3回もあれば十分かも。料金はひとり1時間600バーツだった(ボトル代含まず)。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。