冗談のようなタイ語の授業

上級コースに入ってから、ヂュラーロンゴーン大学文学部主催の集中タイ語講座は突如として井戸端会議や生け花教室のようになった。これまでがこれまでだっただけに、このぬるま湯的な雰囲気には強烈な違和感がある。

放課後、講師が「進度ちょっと遅いかしら?」と声をかけてきた。あの授業内容をほぼ完璧に覚えていたドイツ人がクラスを去ったため授業の進度を意図的に落としているんだろう。

きょうの授業は「話のコツ」について。もっと悪い例え話を先にしておけば、悪いニュースを伝えても聞き手の落胆が軽減されるという話だった。


親愛なるお父様、お母様へ

元気でお過ごしでしょうか? バンコクに出てきてからの半年間、連絡しなくてごめんなさい。マークがとても面倒をよく見てくれているおかげで、わたしはとても元気にしています。マークというのは、バンコクに出てくるときに乗った高速バスが事故にあって、そのときに助けてくれたガソリンスタンドの店員で、怪我が完治するまでの2ヶ月間ずっと面倒を見てくれた人です。わたしには指一本ふれていません。

わたしはマークと結婚しました。無断で結婚してしまってごめんなさい。お腹の子が大きくなるまえに仕事に出なければならないので、大学は辞めざるを得ません。お父様やお母様からいただいた仕送りも尽きてしまいましたし。

・・・・・・ってゆうのは全部ウソでぇ~、今回の本当のニュースっていうのは、前期の単位を半分落としちゃって、のこりの半分も「可」しか取れなかったってことです。それじゃ、お元気で。

P.S. 仕送りが底をついちゃいました。私のことが心配だったら銀行口座に振り込んでおいてね。


この文章は新聞コラムからの抜粋。こんなのを読むのに一日も費やした。

4 件のコメント

  • はじめまして。今タイ語を勉強していてタイ文字練習帳を調べていたらここにたどり着きました。
    私はまだタイに興味をもって間もないのですがいろいろ知れたらいいと思います。また来させてもらいます

  • はじめまして。今タイ語を勉強していてタイ文字練習帳を調べていたらここにたどり着きました。
    私はまだタイに興味をもって間もないのですがいろいろ知れたらいいと思います。また来させてもらいます

  • ABOUTこの記事をかいた人

    バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。