ピンハネ業

午前零時半、ペッブリー18街路にあるアパートにエーンが京劇のような化粧をして帰ってきた。きょうはラームカムヘーング大学のダンスサークルが仲介しているアルバイトで、ラーチャダムリ通りにあるホテルArnomaでダンスをしてきたという。

当初の話では8時間労働で500バーツのバイトのはずだったが……

「ホテルに直接雇われたダンサーが500バーツで、なんでわたしたちだけ400バーツなのよ! ○○さん(仲介者)の取り分が100バーツってことなんだろうけど、それを10人以上から取ってるんだからボロ儲けよね!」

バンコクでは仲介業という仕事はとても儲かる。セコい商売だけど、それに人生の何パーセントかを費やす気さえあればカンタンに起業できるし、日本人顔負けの収入を得ることだってできる。なにより在庫を抱えずに済むんだからリスクがなくて良い。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。