タイ人流ナンパ作戦 後編 (LA留学生日記より)

「本人でも知り合いでもいいから、俺のことをどう思っているか探りを入れてみてくれないか?」

シェアハウスで同室のポックが日本人女性に攻勢をかけていることについて、個人的にはリスクが高すぎるという理由から消極的な意見を本人に伝えてあるけれど、どうしても時間と労力を無駄にしたくないと言うものだから、仕方なく語学学校で日本人クラスメイトふたりに聞いてみた。

「○○ちゃん、ホントに困ってるよ。きのうなんて不在着信が10件以上もあって、これはもうストーカー状態だよ」

ああ、やっぱり。アメリカに滞在しているタイ人のほとんどが「日本人と対等に渡り合える」と信じているようだけど、実際の学力や経済力がどうであれ、多くの日本人が共有している発展途上国に対する差別感情についてはどうすることもできない。しかも今回ポックは日本の流儀を完全に無視して臨んだため、早くも二日目にして高い壁にぶち当たってしまった。

しかしポックがタイの流儀で日本人女性に交際を迫ったことを一概に責めることもできない。むしろ日本人女性が受け入れられるような方法で口説くように、もう少し強めの表現でポックに忠告しておくべきだったと反省している。

恋人友人にかかわらず、外国人と付き合うのはそれなりに難しい。

夜、友人達と寿司屋へ飲みに行った。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。