「巡礼」とは聖地を巡拝することで、宗教上の義務または年来の誓願と言われており、それによって得られた功徳によって日頃の祈念が実現されるという。中世ヨーロッパの人々は、イスラーム教徒ならメッカ、キリスト教徒ならエルサレムなどを目指して歩いた。きょうはそれがいかに苦難に満ちた旅だったのか考えさせられた。
きょう、僕は大学院主催の英語検定試験 CU-TEP を受験するため、シェアハウスのタイ人同居人は幼なじみの結婚式に参列するためにタイへ向かった。
約18時間の空の旅のあいだ、機内で自由に動き回ることはおろかタバコを吸うこともできない。経由地の成田へ行くだけでもシンドイのに、そこからさらにタイまで飛ばなければならないのだから本当に気が滅入る。
それでも中世の「巡礼」に比べればマシだった。エコノミークラスの座席を3つ占領して毛布をかぶって横になっているだけでよかったので、飢餓や疫病とは無縁でいられたし盗賊にも遭わなかった。