タンブン 誕生日の僧侶団招聘

タンブン(托鉢)といえば僧侶に金や物を寄付するタイ語として知られているけれど、実はそれだけではなく仏教的に功徳を積むこと全般を意味している。

きょうはバンコクでの臨時のホストファミリー、ロサンゼルスでの同居人の母親の誕生日で、僧侶のほか親類縁者が集まってタンブンの儀式が行われた。

仏教僧の一行は午前11時25分に同居人の親族が用意したピックアップトラック(ロットグラバ)の荷台に乗って現れ、豪勢なタイ料理が用意されている母屋の食卓へ直行した。タイの仏教では僧が女性に触れてしまうと「善行の成果としての功徳」が台無しになってしまうとされているため、男性は女性が厨房で作った料理を受け取って僧たちに給仕した。仏教僧の人数は、仏教的に縁起が良いとされている9人だった。

午前11時45分、居間の壁沿いに9人の仏教僧が着席して儀式が始まった。手には自分と僧侶団の主席(?)を結ぶ白い糸が握られていた。参加者はあらかじめ用意していた供物を差し出した。

午前11時50分から約15分間、僧侶団の主席によるお経をほかの8人の僧とともに復唱し、最後に僧侶団の主席が立ち上がって参加者の頭に水しぶきを掛けながら室内を歩いて回った。

たったこれだけのイベントなのに疲れ果てた。偉そうに構えている同居人の親族たちに礼を尽くすのは本当に骨が折れる。

今回のタンブンのために、同居人の実家は、僧侶団の主席に500バーツ、ほかの8人の僧侶に200バーツずつの布施を出したという。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。