バンコクには不幸にも娼婦を生涯の伴侶として生活している日本人も少なくない。だからそんな人にばったり出会ってしまったときの、地雷を踏んでしまうリスクは最小限に抑えておきたい。
夜、日本人の友人と夕食をとっているときに、久々にゴーゴーバーへ行きたいと言ってみたところ、とある日本人のカノジョの話題になった。
「知っているか?日本人が連れているオンナが娼婦かどうか一発で判別する方法があるんだ」
友人の話を簡単にまとめるとつぎのようなものだった。
「すこし考えれば分かることだ。まず、実家がバンコクにない女性が日本人と知り合う機会は相当限られている。つぎに、まともな教育を受けていない地方出身者がバンコクで独立した生計を立てられるはずがない」
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「したがって、両親が地方に住んでいて親族の家などに居候してない高卒未満のタイ人女性は、娼婦であるかまたは以前娼婦であった可能性が高い。家族構成、両親の住所、学歴の3つさえ分かれば、かなりの精度で判別できる」
友人はそう結論づけた。高等教育を受けていないタイ人がどんなに貧しいか、改めて考えされられた。
その後、パッポング通りにあるゴーゴーバーへ行ったけれど、カネに飢えている娼婦たちと話しても虚無感しか感じられなかった。
僕は25歳の大学院生。親からの潤沢な仕送りと好待遇のアルバイトのおかげで、日本人としてそれなりに常識的な生活を送っている。娼婦なんかに頼らなくても、フツウのタイ人と友達になる機会と実力は十分にあるし、現役大学生の友人もまだなんとか作ることができる。なにより、一般の女性はカネの絡まない人間味ある付き合いができる点で、娼婦よりはるかに優れている。それに、下半身から精液を放出する作業の優先順位をあまり高く設定していないため、娼婦に何か特別なことをお願いする必要もない。そもそも「女関係の云々」というものは、精神的支配(?)がともなって初めて痛快に思えるのであって、ただ単に見ず知らずの人に自分の性器を突っ込めば楽しめるというものではないと思っている。
もし自分が35歳だったら、ここバンコクでどうやって娯楽を見つければ良いか途方に暮れるかもしれない。そう考えると、ある種の日本人にとって風俗店は必要欠くべからざるものなのかもしれない。
さしあたって、いまは大学生に相手にしてもらえているから、いまのうちに彼女たちと仲良くやっておきたい。娼婦とではなく。