オシャレで先進的な日本に憧れて日本語の勉強を始めた外国人が、日本語が理解できるようになって日本人について知る機会が増えていくにつれて日本のことが嫌いになっていく、というのは、本当によくある、ごくありふれた話だ。
今晩、日本語検定2級の日本語力を武器に日系企業で働いているタイ人の友人と長電話した。友人によると「日本人労働者はタイ人労働者をあまりにもナメすぎている」という。これもまあ、あってもおかしくない話だ。
日系企業は主に人件費節減のためにタイに進出しており、製品の品質が犠牲になることについてはある程度覚悟している。中間層の日本人は、所得が相対的に劣っている他人を探して自分の優位を確認する習性があるため、日本人がタイ人を見下す条件はそろっている。現地採用の所得でも、タイ人の単純労働者と比較すれば年収は2~5倍にはなる。
日本人に対して不満を並べている友人に対して、僕は「もし自分がタイ人だったら日本語は勉強しないし、日系企業で働くことも絶対に避けるはずだ」と応じた。日本語を必死に勉強してきた外国人が、日本人のせいで日本に失望させられというのも気の毒な話だ。
しかし、それが良くも悪くも日本人社会というものだから、たとえ僕ひとりが何かを頑張ったところで解決できる問題じゃない。