国立競技場駅前歩道橋の物売り

「まったく骨折り損のくたびれもうけ。おととい、グルングテープ大(バンコク大)とホーガーンカー(タイ商業会議所大)通ってる中等学校後期(マッタヨンマスックサートーンプラーイ, 日本の高等学校に相当)時代の友人たちと一儲けするために、サナームギーラー(高架電車国立競技場駅)前の歩道橋で雑貨を売ってたんだ。警察が来るたびに荷物を畳んでやり過ごすのはスリルあったけど精神的にめっちゃ堪えたし、雑貨もま~~~ったく売れなかった。仕方なくスィーロム通りに移ったんだけど、こっちもサッパリ。一日中頑張って、売れたのは結局30バーツの雑貨2つだけ。せっかく汗だくになってまで働いたのに、利益がたった1バーツだけなんて、やっぱり落ち込むわ~」

毎週月曜日はブワと会う日。ブワは月曜日の授業を履修していないから、大学に行く必要もないし制服を着る必要もないけれど、そうでもしなければ平日に外出する理由を両親に説明できないということで、今学期からこのようなかたちで会うことにしている。

ここのところ全く足が遠のいていた日本料理店 ZEN へ行ってブワと昼食をとった。料理が出てくるまでの30分間を、今か今かと待ちながら、こんな話をして潰していた。

フツウの市民が、サナームギーラー前の歩道橋で物売りをしているということをはじめて知った。ブワによると、特に縄張り争いのようなものはないそうで、誰でも好きなところに(警察の目を盗みながら)風呂敷を広げることができるという。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。