日曜日の夕方。オフィスビル「エンポリアムタワー」にある珈琲屋 Starbucks Coffee で50バーツの Coffee of the day を啜りながら時間をつぶしている。ブワのヨガ教室が終わる午後4時までに、溜まっている日記をすべて書き上げてしまいたい。
ここのとなりにある百貨店「エンポリアム」は、富裕層向けのショッピングセンターで、エントランスには白い詰襟制服を着用した警備員が立っている。タイではゲーソーンプラザに次ぐ高級百貨店で、数々の世界的ブランドが出店している。この地域は高級住宅地の中心部にあるため客の所得層も高く、店内には身なりの良いタイ人たちが行き交っている。バンコク在住日本人の中でも特に購買力レベルが高い駐在員が住んでいるところとしても知られており、その帯同家族が好んでここに足を運んでいる。
ところが、店内には韓国人の姿が目立つ。日本人はむしろ少数派だ。僕が座っているカウンター席の向かいでは、中年韓国人女性2人組が何やら熱い議論を戦わせている。
バンコク都内、エンポリアムでもゴルフ練習場でも見渡す限りの韓国人。彼ら韓国人は、いったいどこに住み、どのように収入を得ているのだろうか。
昨今の親韓機運で日本では大韓民国がまるで先進国入りしたかのように報じられているが、実は僕たち日本人が信じているほど強力な国家ではない。日韓の人口差が3倍もあるため国内総生産で大きな隔たりがあるのは当然としても、単純に1人あたりの国内総生産でも依然歴然とした格差がある。 OECD 経済開発機構の統計(1998年)によれば、日本人ひとりあたりの国内総生産年間29,930ドルに対して、韓国人は6,910ドルしかない(タイ人は1,820ドル)。
ここバンコクにおける韓国人の振る舞いといったら、まさに目を覆わんばかりだ。単に価値観の相違なのかもしれないが、彼らが道路にゴミを散らかしたり、ゴルフ場でキャディーに抱きついてはしゃいでいるのを見るにつけて、僕は強烈な違和感を感じている。しかも、彼らは少しでも不満があるとすぐに大声でわめき散らすため、タイ人からの激しい顰蹙を買っている。きっとバンコクに来たばかりの日本人がそうであるように、彼らにもタイ人に対する揺るぎない優越意識があるのだろうが、それがあまりにも露骨すぎるせいか、タイ人から好印象を持たれることは少ない。
ここに来る前、コンドミニアム地階にある美容室へ散髪に行ったところ、ちょうどそこに居合わせた不動産管理請負人のタイ人中年女性が韓国人の振る舞いについて美容師に不満をぶちまけていた。
「またしても韓国人だわ。今回は家族で入居していて子供も2人いる韓国人だったんだけど、どうも家賃を支払わずに逃げてしまったみたいなのよ。このまえ会ったとき、今月末には未払いの保証金を払うって言ってたもんだから、まさか無断で退去してしまうとは夢にも思わなかったわ。この話には続きがあるのよ。その部屋にオーナーと一緒に入ってみると、なんか喧嘩したときに刃物を振り回したみたいで、床だけじゃなく扉までボコボコ。オーナーなんて今にも発狂しそうなカンジだったわ。これだから韓国人は信用できないのよ。あいつら本当にどうかしているわ」
僕が住んでいるスクンウィット13街路にあるコンドミニアム「スクンウィットスイート」のロビー階(14階)の掲示板に張り出されている空室一覧表には、ยกเว้นเก้าหลี(ヨックウェンガオリー)の表示が目立つ。日本語に訳すと「韓国人お断り」。過去にもこういった事例は数え切れないほどあったそうで、韓国人の入居を拒んでいるオーナーが多数いるという。数年前には韓国人による殺人事件まで起きている(殺害した妻子をゴミ袋に入れてスクンウィット4街路のゴミステーションに捨てたとの噂)。
バンコクに住んでいる日本人もその大半は少し変わっているが、韓国人の蛮行はそれと比較するのもばかばかしくなるほど常軌を逸している。実態がどうであれ、タイ人の間ではこのような固定観念ともいえる「韓国人観」がすっかり定着している。
身分相応の振る舞いと、自分自身に対する正しい理解。これができないタイ在住外国人のなんと多いことか。
朝のアルバイトから部屋に戻ったところ、ヨガ教室に行く途中のブワが僕の好物「甘い緑色カレー」を持ってやってきた。ブワをヨガ教室まで送ってから、今こうやって日記を書いている。これから彼女を迎えに行って一緒に夕食をとってから、家まで送っていく予定。