バンコク・ドーンムアング空港の税関は、タイ人に甘く、外国人に厳しい。もし、日本人が電気製品を工場出荷状態のまま持ち込もうものなら、エックス線照射機に通すよう指示されて30%~50%の輸入関税が課税される。交通違反と同じように賄賂で解決するというタイならではの解決策もあるけれど、手荷物検査場は衆人の目に付く通路上にあるため、賄賂を受け取ってもらうためにはタイミングを図って高度な交渉が必要となる。
今回、日本からタイに持ち込むのは、ラオス人、タイ人、カンボジア人のクラスメイトたちから依頼されたSony製の500万画素デジタルカメラ2台と、同200万画素デジタルカメラ1台の合計3台。うち1台については「梱包もそのままで」という指示を受けている(ほかの2台は国際電話で梱包の破棄許可を得ている)。そこで、2台はすぐに使えるような状態にしてカバンに詰め、残りの1台も同じようにカバンに詰め、包装を畳んで別の小さなカバンに押し込んだ。
成田空港をフラフラと散策していたところ、偶然ブワのツアー一行と遭遇した。懸案の荷物一式を預けてしまえば、何も思い悩む必要はない。そう考えて、デジタルカメラ本体をブワの家族に委ね、充電器などの同梱品をブワの妹のカバンに詰め込んだ。これで安心。入国時にタイ人の手荷物が調べられることなどまず考えられない。
(ここまで、ユナイテッド航空成田発バンコク行きの機内でワインを飲みながら記す)
輸入関税を払わずにデジタルカメラを持ち込む方法について、これまでさんざん悩みぬいたにもかかわらず、結局、僕の荷物はバンコク・ドーンムアング空港で調べられなかった。こんなことなら、工場出荷時のキレイな状態で持ち込めばよかった。約1時間遅れで到着したブワから預けていたデジタルカメラ3台を受け取った。