タイ初の地下鉄 「都市電車チャルームラッチャモンコン線」

タイ史上初めてとなる地下鉄が本日ついに営業を開始した。

昼過ぎ、友人に呼び出されて近所にあるインターネットカフェへ出かけたところ、タイでも手軽にブロードバンド・インターネットが楽しめるようになったという情報を入手して、サービスの内容について詳しく確認するために通信会社 True 系列の携帯電話会社 Orange のオフィスに立ち寄った。

日没後に日本語検定1級に合格したばかりの友人が加わって、きょう開業したばかりのタイ初の地下鉄を試乗してみようという話になり、さっそく高架電車サーラーデーング駅ちかくにある地下鉄スィーロム駅へ向かった。

「人の目をはばからずにこれだけ思い存分写真を撮りまくれるのって、やっぱり営業初日の今日だけよね? 数週間後にこれをやってたら、絶対にヤバい人だと思われるわよ」

きょうはバンコク全体がお祭りムード一色に染まっている。高架電車は今年で開業5年目を迎えるが、そこでも自動券売機の使い方やエスカレーターの乗り方が分からずに戸惑っている家族連れが数多く見られた。おそらく開業初日の地下鉄に乗るため田舎から出てきた人たちだろう。

20040703-2地下鉄スィーロム駅の構内へ入ってみると、今度は僕たちの方が戸惑った。改札階は広くとても綺麗だが、どこを見渡しても自動券売機が見当たらない。とりあえず周囲の様子を写真に納めてから、人集りができている改札口の方へ歩いていくと、駅員が拡声器で「自動券売機はまだ届いておりません。こちらに並んで10バーツのメダルをお買いお求めください」とアナウンスしていた。

20040703-3なぜ乗車券を切符ではなくメダルと呼んでいるのか不思議に思っていたが、窓口の駅員に10バーツのコインを渡したところ、樹脂でできた黒いメダルを渡された。いままで見たこともない樹脂のメダルを眺めて首をかしげていると、今度はメダルを自動改札機にかざすよう駅員から指示された。

メダル購入時に駅員から手渡された小冊子によると地下鉄の乗車券は2種類あって、ひとつは「トークン」と呼ばれる IC チップ内蔵の樹脂メダルで、自動券売機で購入後に自動改札機にかざして入場し、退場するときに自動改札機へ投入して返却する。 もうひとつは「プリペイドカード」と呼ばれる前払方式の IC カードで、駅の窓口で購入後、自動改札機にかざすことで入退場できるという。

20040703-4まるで田舎から上京してきたばかりの「お上りさん」のように駅構内で右往左往しながら、やっとのことでバーングスー方面行き電車のプラットホームにたどり着いた。ホームは開業初日に地下鉄に乗ろうと集まった野次馬たちで溢れかえっていた。ある電車は満員のため乗車できず、またある電車は乗客を満載したまま停車せずに通り過ぎていった。すし詰め状態になっている乗客たちを奥に押し込むようにして無理矢理電車乗り込むことができたのは、ホームに着いてから約20分後のことだった。

パンフレットによると、運賃は初乗り14バーツ(児童高齢者は半額、初年度大人12バーツ)で、始点から終点まで乗った場合でも36バーツ(児童高齢者は17バーツ、初年度大人29バーツ)が最高となっている。今回の「全線運賃10バーツ均一」は自動券売機が到着する来月12日まで続くらしい。パンフレットの冒頭には「都市電車チャルームラッチャモンコン線」の名前の由来が書かれていた。

รถไฟฟ้ามหานคร สายเฉลิมรัชมงคล
都市電車チャルームラッチャモンコン線

พระบาทสมเด็จพระเจ้าอยู๋ห้ว ทรงพระกรุณาธิคุณโปรดเกล้าฯ พระราชทานนาม “รถไฟฟ้ามหานคร สายเฉลิมรัชมงคล” อันมีความหมายว่า “งานเฉลิมความเป็นมงคลแห่งความเป็นพระราชา” เมื่อวันที่ 9 สิงหาคม พ.ศ. 2542 สำหรับโครงการรถไฟฟ้าใต้ดิน เส้นทางหัวลำโพง-บางซื่อ ซึ่งมีสถานีทั้งหมด 18 สถานี รวมระยะทางทั้งสิ้นประมาณ 20 กิโลเมตร
恐れ多くも国王陛下は1999年8月9日、フワランポーンとバーングスーを結ぶ地下鉄(営業区間約20キロ, 全18駅)に対して、「国王慶賀」を意味する「チャルームラッチャモンコン」という名を下賜された。

パホンヨーティン駅で下車して、セントラル百貨店ラートプラーオ店の MK で夕食をとり、そこからそれぞれ高架電車に乗って家路についた。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。