トーングロー21街路にあるパブ「ソーングサルング」で昨晩、ホーガーンカータイ大学の男子学生からタイにおけるギック(友達以上恋人未満)という概念とクラブシーンにおけるナンパの流儀について教えてもらった。もしこの話が正しいと仮定するならば、ナイトクラブに遊びに来ているヤツらの大半は拝金主義者だという仮説が成り立つ。
そんなことが妙に気にかかっていて、今晩もトーングロー21街路にある微妙にハイソなパブ「ソーングサルング」へ友人たちと繰り出した。
まず、この店の客層について調べるために、出入口の前にあるベンチに座って午前1時から1時半までの客の出入りを観察した。午前1時半(法定閉店時間の30分前)の時点では、男性客の入店がほとんどみられなかった一方、女性客が次から次へと店内へ流れ込んで行く様子がハッキリと見て取れた・・・・・・が、あまりにも不思議すぎる。
バンコクのパブでは通常、入店する時にウイスキーをボトルで注文して(690~1,100バーツ)、飲みきれなかった分を店に預けるというスタイルが一般的とされている。ところが、こんな時間に来てもバンドによるタイポップスの生演奏は終わってしまっているし、ボトルを置く場所だって確保できない。
つぎに、出入口から友人たちが陣取っているバーカウンターまで引き返す途中で、閉店直前に入店した女性客たちが何を飲んで何をしているのか観察してみた。ウイスキーボトルを置く場所すら確保できない閉店直前に入店した女性客たちは、所在なく通路上をフラついているから、一目見ただけですぐにそれと分かった。
結論は思いのほか単純で明快だった。閉店直前に入店した女性客は、(ごくまれに90バーツのビールを持っているケースもあるが)ほとんどが何も買わず何も飲まないでシラフのまま踊っていた。どう考えても、酒を飲みに来ているとは思えない。じゃあ、何をしに来てるかって? そりゃあ、「金を使わずに金持ちにナンパされに来ている」に決まってるじゃないか。それ以外には考えられない。
僕たちがパブへ遊びに行くときに用意する予算は、それぞれひとりあたりの金額で、ソーングサルングが850~1,200バーツ、 Booze が950~1,400バーツ、 Snop が1,100~1,500バーツ。ダンス系ディスコが密集している Royal City Avenue や Street of Hollywood の120〜320バーツと比較すると明らかに割高で男性客の質も高い。そう考えると、早い時間からソーングサルングに来て酒を飲んでいる男性客と、閉店直前に来て手ぶらで店内や店の前をウロついている女性客とのあいだにある経済的な格差が、いかに大きいものか容易に想像が付く(もしかしたら、午前1時すぎにやって来た女性客たちは、法定閉店時間の関係でちょうどこの時間に仕事が終わる性風俗店の従業員である可能性もある)。
このような背景から、この店のナンパ難易度はほかのどこよりも低く、それが呼び水となってさらに多くの男性客がこの店へと集まってくるといった構図になっている。
6月末以来の一連のパブめぐりで、バンコクにおける夜の歓楽街についてはほぼ完全に理解できた。つまり、バンコクのクラブシーンでは、フツウ程度の容姿、フツウ程度の装備品、それからほんの少しの甲斐性さえあれば、イージーすぎる女性客をゲットすることぐらい誰にでもできる。過去に何人と云々したかなどと語り合うのは、それこそあまりにもナンセンスだ。
タイに特別な感情を抱いている一部の日本人たちのあいだでは、娼婦やクラブ通いばかりしているタイ人女性だけをサンプルにして「タイ人女性は日本人女性とは異なり・・・・・・」という議論が交わされている。だが、「一般的な日本人女性 vs 娼婦やクラブ通いばかりしている日本人女性」には「日本人女性 vs タイ人女性」ぐらいの違いがあるのだから、「一般的な日本人女性」と「娼婦やクラブ通いばかりしているタイ人女性」を比較したってまったく意味がない。8 km と132時間 は、どっちの方が重いかって? そんなの誰にも答えられない。なにかを比較検討するときには、まずは比較対象を正しく設定する必要がある。そんなことすら理解できていないような人たちが偉そうに「タイ人女性とはなにか」などと講釈をたれているのだから本当に滑稽だ。
放課後、大手レコード会社 Grammy の本社ビル1階にある Starbucks Coffee へ行って読書をしてから、日本大使館領事部が入居しているスーンミットタワーの1階でメキシコ料理を食べた。夜、トーングロー21街路にある微妙にハイソなパブへ友人たちと繰り出した。