大学裏の焼肉食堂街 ヂュラー20

タームペーパー(学期末小論文)の提出日を間近に控え、ここのところ講義の有無にかかわらず、ヂュラーロンゴーン大学の中央図書館に籠ってクラスメイトたちと文献を読んだりタームペーパーを書いたりするのが日課となっている。試験期間が始まった頃、僕たちは閲覧室の一角を占めるこぢんまりとしたを集団にすぎなかったが、ほかの研究科や学部に在籍している学生たちも加わり、いまでは巨大なグループを形成している。

そんなタームペーパーばかりの平凡で退屈な日々を送っていても芸がないと思い、午前9時にサヤームスクウェアにある Starbucks Coffee でヂュラーロンゴーン大学文学部の学生と待ち合わせて、 マーブンクローングセンターの7階にある映画館へ向かった。ところが、こんな早朝から映画を見るタイ人なんてほとんどいないし、話題作が上映されているはずもない。350人が収容できる映写室にいたのは、僕たちを含めたったの4人だけだった。

「いい歳こいて、そんなの見てきたのか?」

ヂュラーロンゴーン大学の中央図書館で正午前に自習仲間たちと合流して、「サンダーバード3を見てきた」と言ったら思いっきり笑われた。

今晩は閉館時間の午後9時ギリギリまで粘るつもりだったが、その15分前の午後8時45分に閲覧室から追い出された。タイでいう「終業時刻」とは職員の帰宅時間と同一だから、それまでに帰り支度を済ませてしまう。

20040917-2行き場を失った僕たちは、中央図書館の裏手にあるヂュラー20街路にあるムーガタ屋へ向かった。ムーガタはもともとタイの北部や東北部発祥の料理だが、近年バンコク都内でもすさまじい勢いで増えている。牛肉や豚肉や焼鳥、ガーリックライスなどの油っぽいものばかりで、ひとり99バーツ(食べ放題)。試験が終わったらビールでも飲みに行こう。

タームペーパー作成だけの単調な日々をエキサイティングな日々に変えるために、いまいろいろと試行錯誤を繰り返している。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。