「聞き取れなかったのは、あなたたちだけじゃないわ。わたしもよく分からなかったからテキトウに返事をしておいたけど、あれで本当に通じてたのかしらね?」
チアングマイ国際空港のターミナルビル前で、バンコク出身のタイ人のクラスメイトはスィーロー(トラックの荷台バス)の運転手に行き先を告げたあと、そのように話していた。タイ語の北部方言は、東北部の方言(イーサーン語)ほどの違和感はないが、それでも固有の単語や独特の言い回しがあるため、会話の中で鍵となる単語が聞き取れず、しばしば返事に困ることもあった。僕のようにヂャーオ、アーイ、ウー程度しか知らないようではとても対処できない。
バンコク・ドーンムアング国際空港で午前8時15分、それぞれ異なる目的を持っているクラスメート達3人と待ち合わせて、タイ国際航空102便でタイの北部にある地方都市「チアングマイ」へ向かった。
タイの航空業界は目まぐるしい再編と他業種の新規参入によって、国内線を運行している航空各社のあいだで激しい価格競争が起きている。現在、インターネットで申し込むことができる航空各社のバンコク⇔チアングマイ便の運賃は次のとおり。
航空会社名 | 英語名 | 料金 | 1日の便数 |
タイ航空 | Thai Airways | 1,950バーツ | 10便 |
バンコク航空 | Bangkok Airways | 1,950バーツ | 2便 |
タイ・アジア航空 | Thai Air Asia | 1,000-1,500バーツ | 6便 |
オリエントタイ航空 | Orient Thai | 1,150バーツ | 3便 |
ノック航空 | Nok Air | 1,115バーツ | 5便 |
旧市街(チアングマイ城内)のプラポックグラーオ通りにあるゲストハウスに荷物を預け、ふたたびスィーローに乗ってチアングマイ大学の中央図書館へ向った。
国立大学の中央図書館へ入るときには、ほかの大学に在籍している学生は10バーツ、一般の来館者は20バーツを支払う必要がある。ところが学生証を提示するだけで簡単に入ることができた。館内は想像以上に整然としており、ヂュラーロンゴーン大学の中央図書館より使い勝手がよい。床には絨毯が敷き詰められているし、奥には「アメリカンコーナー」という名前の視聴覚室もあった。
ゲストハウスへ戻った僕と友人たちは、レンタルバイク(1日150バーツ)を借りて、一日の締め括りに城外にあるパブへ向かった。