揺れる宴会

午前9時、パッタヤーの中央海岸から改造漁船に乗り込んで、西へ10kmほど行ったところにあるラーン島へ向かった。

パッタヤー中央海岸からラーン島までの海は普段からとても穏やかなため、海風を浴びながら缶ビール片手に快適なクルージングの旅が楽しめると聞いていた。ところが、改造漁船は横からの強風をモロに受けて、まるで遊園地のアトラクションのように揺れに揺れた。手すりにしがみついていないと大荒れの海に投げ出されてしまいそうになるし、四つん這いになっても移動することすらままならないような有様だった。

そんな船内で奇声をあげながらハイネケンビールを片手に宴会を続けていたものだから、ラーン島からパッタヤー中央海岸へ戻ってきたときにはみんなゲッソリとしていた。協力会社のタイ人社員などは、完全に体力を消耗しきってしまい、改造漁船から小舟へ乗り移ることすらできなかった。僕自身もこれほどの船酔いに悩まされたのは生まれて初めてかもしれない。

その後、建設会社の従業員たちとオカマキャバレーへ行って Tiffany’s Show を見物し、夜のパッタヤーの街を徘徊してからホテルへ戻った。午前3時まで賭トランプを楽しんだ。

部屋へ戻ってベッドに横になったところ、まだ船に乗っているかのような錯覚にとらわれた。おそらく改造漁船に乗っていたときに三半規管がおかしくなってしまったんだろう。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。