エーラーワン廟

「わたしは敬虔な仏教徒よ。バラモン教の信仰対象なんかに手は合わせないわ」

昼前、午前中の講座「東南アジア映画演劇論」の講師を交えてクラスメイトたちと昼食をとるために、ヂュラーロンゴーン大学の文学部から Central World Plaza へ向かって歩いていた。そしてラーチャプラソング交差点の前に差し掛かったところで、クラスメイトのエーちゃんに「タクシーの運転手だってエーラーワン廟にワーイ(手を合わせること)をしているのに、どうしてやらないの?」と尋ねてみたところ、このような答えが返ってきた。

エーラーワン廟の起源は、エーちゃんによると、インド・バラモン神の乗り物である「エラワン」の名前を掲げている高級ホテル Grand Hyatt Erawan Bangkok の旧建屋を建設していた1950年頃に、火災や転落死亡事故などの災害が相次ぎ、ホテルを建設する前に十分な祈祷をしなかったため土地神に祟られたのが原因とウワサされたため、ホテルがこの土地にヒンドゥー教とバラモン教の創造神である「ブラフマー」を奉納したことまでさかのぼるという。現在ではここで祈れば恋愛が成就すると人々に信じられている。

エーラーワン廟は、外国人向けのツアー旅行のルートになっている Central World Plaza のちかくにある。東南アジア映画演劇論の講師によると、ここで奉納されているタイの伝統舞踊「ラーマギアン」は技能的にはかなりお粗末なものらしい。

その後、スィーロム通りにある Starbucks Coffee へ行ってペーパーを書いた。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。