「あのぉ、もしかして文学部で勉強していませんか?」
日ごろから通いつめている珈琲屋 Coffee Society は、ヂュラーロンゴーン大学から1.2kmと比較的近いところにあるため、試験前になると大学生たちでほぼ埋め尽くされる。
そこでペーパーを書きながら友人が到着するのを待っていたところ、文学部で中国語を専攻している学生が話しかけてきた。ちょうどその隣にいた学生が政治学部で地域研究をしていると聞いて、先日クラスメイトと探したときに見つけられなかったタイ語バージョンの地域研究の入門書について尋ねてみたところ、学部では講師が用意した補助プリントで対応しているという。タイ語の専門書は意外にも少ない。
知的でハイソであることを標榜しているヂュラーロンゴーン大学の学生のあいだでは、商業の中心地スィーロム通りにある珈琲屋で優雅にコーヒーを飲みながら試験勉強をするというスタイルが流行っている。おかげで長時間居座り続けている僕たちの存在が目立たなくなって助かっている。