「こんばんは。クイクイカーオをご覧になった視聴者のみなさんはすでにご存知かと思いますが、今晩のトゥングルークトゥングコンでは、ここ数日、ホットな話題となっている『新しいヴァージョンの国歌』について、 G”MM’ Grammy の責任者の方をお招きして討論を進めてまいります」
「 G”MM’ Grammy のプレスリリースがここにあります。『 G”MM’ Grammy は、軍務省から依頼を受け、国家団結力開発プロジェクトの一部門である国家芸術家国歌斉唱プロジェクトの指針に沿って、市民の責務として、全身全霊、全知全能を尽くして、6種類の国歌の録音の候補を制作しました。しかし、特に固執する意図はなく、国民を扇動することも本意ではないため、もし不満とあれば遠慮せずに破棄していただいて構いません』と書いてあります。そこで今晩は、 G”MM’ Grammy 公開株式会社のグループ企業、グラミーグランド株式会社の代表取締役、ニティポング・ホーナート氏をお招きして、どのような経緯があったのか、なぜ依頼を受けたのか、さまざまな意見があるなかでなぜ軍の意向だけを尊重したのか、当事者である G”MM’ Grammy はどのように考えているのか、どのようにして6種類のヴァージョンの候補を選んだのか、今後どのようにしていけばよいのかの6点についてお話を伺ってまいります」(トゥングルーク・トゥングコン5月24日「新バージョンの国歌」冒頭部分を要約)
「こんばんは。いま、お聞きいただいたのは、わたしたちが日頃から慣れ親しんでいる現在のタイ国歌に変更されるまで使われていた1934年国歌(註:国号変更前のサヤーム国歌, 曲と歌詞の一部に違いがある)です。国家文化委員会は本日、会合を開いて、 G”MM’ Grammy が軍務省からの依頼を受けて新たに制作した6種類の国歌の録音について話し合いの場を持ちました。そのなかで文化相は、つぎのような談話を発表しています。『国歌の録音に関する規定がなかったため、2003年の末におこなわれた閣議において国家象徴委員会版の国歌を公式な録音とする決定をしております。公的な機関や国営企業では国家象徴委員会版の録音が使用されており、これまで民間に対しても国家象徴委員会版の録音を使用するように要請してきました。当時の閣議決定は現在でも有効であるため、 G”MM’ Grammy と軍務省が新たに制作した『新ヴァージョンの国歌』については採用の是非を検討しない、との結論に至りました』。そこで今晩は、この機会に国歌に対する理解を深めるため、関係者や有識者の皆様をお招きしております」(トゥングルーク・トゥングコン5月25日「タイ国歌」冒頭部分を要約)
自由な討論がおこなわれるテレビ番組は、ここタイでも放送されている。なかでも、ソーラユット・スタッサナヂンダー氏(バンコク大学報道学部卒業・39歳)が司会を務めている「トゥングルーク・トゥングコン」(子へ人へ, 平日23:00~24:30)の存在は特に際だっており、さまざまな社会的な問題をタイムリーに取り上げて、当事者や専門家を招き、事の真相を徹底的に追究していく報道姿勢は、タイの国民から幅広い支持を得ている。ソーラユット氏のアグレッシブな追求ぶりは、日本人のジャーナリストの田原総一朗氏(早稲田大学文学部卒業・71歳)を思い起こさせる。
今回の国歌の公式録音問題では、マヒドン大学附属ヂェンドゥリヤーングカスィン芸術カレッジの学者が「言語道断だ。すべての国民が敬意を払うべき対象である国歌が、ダンスミュージックのようであってはならない」と話していた。この学者によると、従来からある国歌象徴委員会版の録音には、国歌に込められている意図や思想をが正確に表現されるよう工夫が凝らされているという。一方、今回の録音を制作した G”MM’ Grammy 側は「技術革新によって、以前とは比較にならないほど素晴らしい、鳥肌の立つような国歌が録音できるになった」と主張している。このようなやりとり見聞きすることは、タイの社会を理解するうえでとても参考になる。
日没後、アサンプション大学フワマーク校舎の裏で友人たちと合流し、そのすぐ近くにあるタイ料理店へ行って、学会へ出席するためにプーゲットからバンコクに来ていた友人の高校時代の友人たちと夕食をとった。タイ海軍の士官学校に通っている3年生の学生によると、士官学校はタイ屈指の高等教育機関で、およそ19,000人の出願者のうち90人しか入学できない狭き門で、入学後は准尉待遇の士官候補生として処遇されるという。
午後11時頃、スクンウィット13街路にある住まい Sukhumvit Suite 17階の自室のリビングでタバコを吸っていたところ、バンコク在住の日本人としては数少ない超人的な知識量を誇っている友人から電話があって、オーソーモートが運営しているチャンネル9で放送中の討論番組を見るように勧められた。今晩は「近郊鉄道バーングヤイ・バーングスー線は高架か地下か」をテーマに、議論が行われていた。
番組の終了後、インターネット上にアップロードされている過去の放送内容を発見し、朝まで通しで見続けた。この日記では語り尽くせないほどたくさんの魅力がギッシリと詰まっているテレビ番組なので、タイの社会問題に興味をお持ちの方には是非オススメしたい(必要最小スキル:ヂュラーロンゴーン大学文学部集中タイ語コース中級1 [ポーホック相当] 以上 / 推奨スキル:上級1以上)。
きょうの日記では、日本人にも分かりやすい内容を選んで掲載した。なお、過去のバックナンバー(抜粋)はつぎのとおり。
- 8月1日 「第二種女子学生コンテスト」(ラーチャパットスワンドゥスィット大学が200名からのオカマ学生に晴れの舞台を用意したことに関する是非)
- 7月29日 「アルコール飲料メーカーの株式上場に若者達が反対」
- 7月26日 「タイのカレンダーはズレている」(日刊紙コムチャットルックが仏教的な祝祭日がずれていると指摘したことに関する真偽について)
- 7月4日 「タクシー運賃の値上げ」
- 6月17日 「ズレてる新入生歓迎パーティー!」
- 6月16日 「新入生歓迎パーティーの悲劇」
- 6月13日 「新入生歓迎パーティーの中止」
- 5月31日 「エネルギーの節約」
- 5月23日 「人生を変えるミニバス」
- 5月11日 「バンコク人の命の値段」
こんにちは、いつも楽しく拝見しています。タイ語はあまりわかりませんが、見ているだけで、タイの若者の考えが伝わってききます。ぜひ、話題になった新入生の歓迎会問題や、ミニバスの悲惨な事故、石油高騰の節約など、アップしていただければ、ありがたいです。
こんにちは、いつも楽しく拝見しています。タイ語はあまりわかりませんが、見ているだけで、タイの若者の考えが伝わってききます。ぜひ、話題になった新入生の歓迎会問題や、ミニバスの悲惨な事故、石油高騰の節約など、アップしていただければ、ありがたいです。
> tenbin さん
こんにちは。いつもバンコク留学生日記をご覧くださりありがとうございます。是非、そのあたりのこともお伝えしたいと思っているのですが、記事が膨大になりすぎて日記で扱うことはできなそうです。先日、サヤーム大学で発生した報道放送学部と工学部のあいだで起きた抗争の話なんて、本当に興味深いのですけれども。さしあたって、僕にとってはこの日記が精一杯で、これ以上の時間をインターネットに割けそうもありません。この番組のレビューだけを扱ったブログを書くという方がいらっしゃったら、きっとその人は英雄になれるんじゃないかと思います。
なお、サーバーの容量上、これ以上の動画をアップすることはできません。
> tenbin さん
こんにちは。いつもバンコク留学生日記をご覧くださりありがとうございます。是非、そのあたりのこともお伝えしたいと思っているのですが、記事が膨大になりすぎて日記で扱うことはできなそうです。先日、サヤーム大学で発生した報道放送学部と工学部のあいだで起きた抗争の話なんて、本当に興味深いのですけれども。さしあたって、僕にとってはこの日記が精一杯で、これ以上の時間をインターネットに割けそうもありません。この番組のレビューだけを扱ったブログを書くという方がいらっしゃったら、きっとその人は英雄になれるんじゃないかと思います。
なお、サーバーの容量上、これ以上の動画をアップすることはできません。