「公務員の俸給については、これまでも民間の給与水準より低いといわれてきたけれど、数年前に実施された公務員制度改革で、公務員の唯一の魅力だった普通恩給と退職手当まで減額されてしまったから、これからは副業を持っていないと、バンコクでは生活していけないかもしれないわね」
夕方、ンガームウォングワーン通りにある粥屋「カーオトムウワンポーム」へ行って、友人とガイメットマムワング(鳥肉のカシューナッツ炒め)を突いていたところ、タイの公務員制度の話になった。
タイの文官委員会は2003年12月、145億9000万バーツの補正予算を組んで約5万人の文官を早期退官させ、2004年4月1日からは業績評価システムを導入して、文官全体のおよそ2%にあたる約10万人を削減した。このときの早期退官制度を利用して退官した友人の父親は、毎月15,000バーツ程度の恩給を受け取っているという。
一方、教育省付属の公立学校で働いている友人の母親は、 อาจารย์ 3 ระดับ 8(8級文官3号教諭)の役職にあるという。タイタナカーン銀行の多目的ローンに申し込んでいる顧客の個人情報によると、勤続30年の50歳女性(高専卒)の8級文官3号教諭が月々26,800バーツ、勤続30年の50歳女性(同)の7級文官3号教諭が月々24,600バーツの俸給を得ているようで、さらに前者はタクシーの運転手たちを相手に特別講座を開いていて月々7,000バーツ~40,000バーツの副収入がある。
タイの官吏制度には、1級から11級までの階級ある。
本省係員2~4級文官、本省係長級5~6級文官、本省課長級7~8級文官、本省副局長級9級文官、本省局長級10級文官、本省次官11級文官(郡長7級文官, 県知事10級文官)
タイの教育省には79,308人の常勤職員がいる。
教育省本省所属335,876名、普通科教育局105,396名、職業科教育局18,085名、学校外教育局2,610名、私立教育委員会事務局816名、カリキュラム指導局16,062名、芸術局1,062名、ラーチャパット高等教育機関7,533名、初等教育局1,292名、ラーチャモンコン高等教育機関5,089名など
そのうち普通教育局には14の職位がある。
第1級教員 ครู 1 (2級文官, 1人)、第2級教員 ครู 2 (2~4級文官, 29人)、第1級教諭 อาจารย์ 1 (3~6級文官, 27,902人)、第2級教諭 อาจารย์ 2 (6~7級文官, 65,698人)、第3級教諭 อาจารย์ 3 (6~9級文官, 2,950人)、副教員長 ผู้ช่วยครูใหญ่ (5級文官, 1人)、教員長 ครูใหญ่ (6~8級文官, 30人)、副教頭 ผู้ช่วยอาจารย์ใหญ่ (5~7級文官, 356人)、教頭 อาจารย์ใหญ่ (6~8級文官, 568人)、副学校長 ผู้ช่วยผู้อำนวยการโรงเรียน (6~8級文官, 4,872人)、学校長 ผู้อำนวยการโรงเรียน (7~9級文官, 2,341人)、スクサーニテート ศึกษานิเทศก์ (5~9級文官, 420人)、県教育局副局長 ผู้ช่วยผู้อำนวยการสามัญศึกษาจังหวัด/กทม. (8級文官, 152人)、県教育局長 ผู้อำนวยการสามัญศึกษาจังหวัด/กทม. (8級文官, 76人)
タイのおける教員の俸給は、官吏としての俸給と職位に対して支払われる手当(第3級教諭以上3,600~9,900バーツ、特に専門性の高い職種13,000バーツ)によって決定される。
文官の初任給は、中学高校卒で4,640バーツ、職業学校卒で5,260バーツ、高等専門学校卒で6,490バーツ、4年制大学卒で7,260バーツ、5年制大学卒で7,960バーツ、修士了で8,870バーツ、博士了で12,000バーツとなっている。
ちなみに前出の「8級文官3号教諭」だが、役職は「学年主任」にすぎないという。なんとも複雑で分かりにくいが、タイの官吏制度に関する理解が少しだけ深まった。日常の生活のなかでこのような話ができる、バンコクにおける中間層の友人たちとの語らいの日々にけっこう満足している。
きょうはヂュラーロンゴーン大学の文学部へ行って、午前9時から午後4時までの講義に出席してから、高架電車モーチット駅で友人と合流して夕食をとりに出かけた。