長距離バスで行くチアングマイ・バンコク間の旅

「それ、本気で言っているの!? チアングマイから長距離バスで戻ってくるなんて、無謀もいいところよ。去年、わたしがパンガー(タイ南部)まで長距離バスで行ったときなんて、もう疲れたなんてもんじゃなかったわ。まるで拷問のようにシンドかった。あなたはそれに耐えられるのかしら?」

いつもより早く起きて、ルングアルン温泉に併設されている簡易食堂へ行って米国式の朝食をとり、チェックアウトしてから、温泉前でソングテオ(30バーツ)に乗ってチアングマイの市街地へ向かった。途中、見習いの僧たちがソングテオを乗り降りするたびに、乗客たちは僧が女性の乗客と隣り合わせにならないよう頻繁に席替えをしていた。

旅行先であるチアングマイに滞在しているにも関わらず、急にどこか遠くへ行きたいという衝動に駆られ、花卉市場の前にある発着所で別のソングテオに乗り換えて、市内の中心部にあるボーコーソー(長距離バスターミナル)まで移動し、そこから午後1時発の2等冷房バス(374バーツ)で696キロ南にあるバンコクへ向かった。

長距離バスは、午後3時にランパーング、午後5時にターク、午後6時半にガンペーングペットにあるボーコーソーをそれぞれ経由した。午後7時に途中にあるガソリンスタンドで20分間停車し、乗客たちはバスから降りてガソリンスタンドに併設されている簡易食堂で夕食をとった。その後、午後8時半にナコーンサワン、午後10時にアーングトーング、午後11時にプラナコーンスィーアユッタヤーを通過して、翌20日の午前零時ちょうどにバンコクのボーコーソーがあるモーチットに到着した。

長距離バスの旅は、体力をとことん消耗するが、それだけに目的地へ着いたときの奇妙な達成感のようなものを言葉でどのように言い表したらよいのだろうか。今回、バンコク・チアングマイ間の移動に11時間も費やしたが、自分でクルマを運転すれば9時間程度まで短縮できるだろう。この様子なら、来月のペーパー提出後に予定している「自家用車で行くバンコク発メーサーイ経由ミャンマー行きの旅」も大丈夫そうだ。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。