無題

「実はね、けっこう前から決まっていたことなんだけど、きょうもらった給料でみんなに夕食をおごる約束になっているのよ」

夜、ウッタヤーン通りにあるドイツ風屋外料理店「バーンナームキアングディン」で、銀行に勤務している友人が給与明細をバリッと広げて嬉しそうに語っていた。今月の総支給額は56,000バーツ。3ヶ月間の試用期間を経て、きょうがはじめての正規賃金の支給日だった。日本人の大卒女子一般職や高卒男子総合職の初任給と同程度の金額で、タイで採用されて働いている日本人の平均月給をはるかに上回る、タイ人の会社員としては誰に恥じることなく堂々と胸を張って触れて回れるだけの良い給料だった。

昼すぎ、セントラル百貨店ピングラーオ店にある美容室へ友人たちと行ってストレートパーマをかけた。料金は、僕がストレートパーマとカットで2,000バーツ、友人がストレートパーマとカラーリングとトリートメントで5,000バーツだった。

その後、ウッタヤーン通りにあるドイツ風屋外料理店「バーンナームキアングディン」へ行って友人たち7人と夕食をとった。腹一杯食べて1,200バーツ。「案外安いじゃない?」と言って、友人は全額をポンと支払った。

今月の総支給額56,000バーツのうち10,000バーツは両親にあげたという。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。