タイの皮膚科クリニックにおけるフェイシャルエステ

「鼻の横に大きなニキビができているじゃないの? このまま放っておくと大変なことになるし、見た目も悪いから、できるだけ早いうちに皮膚科へ行って処置してもらったほうがいいわよ。ちょうど、わたしもそろそろ皮膚科へ行かないといけないところだったから、今晩、どこか途中で待ち合わせをして一緒に行きましょうよ」

朝、スクンウィット13街路にある住まい Sukhumvit Suite 17階の自室で、友人に指摘されて自分の顔を鏡を見てみたところ、珍しく大きなニキビができていた。あすからの数日間、日本でいろいろな人と会う予定になっているから、ここは友人の勧めにしたがって処置をしておきたい。そこで、夜、プララームサーム通り(ラーマ3世通り)にあるセントラル百貨店の2階に入っているラッチャダー・プララームサーム皮膚科クリニックへ行くことになった。

クリニックは、内装が白一色で統一されており、簡素だが清潔感が上手く演出されていた。診察室のなかへ入って女医に症状を説明したところ、医師の貫禄からは想像できないファンキーな口調で「なにか思い当たる節ある?」と尋ねられた。先月レーシックをしたあとに6日間も洗顔できなかったため、やむなくコットンやクレンジングフォームで洗浄していたと答えると、医師は卓上灯を顔面に当て、ハンディーカメラで皮膚の状態を記録しはじめた。

「ひどい脂性ね。これだからニキビができるのよ。それと、タバコは皮膚の老化を加速させる原因になるから、いますぐにやめなさい。とりあえず、アンチエイジングとニキビ対策をしておきましょう」

処置の内容はつぎのとおり。

①レーザーを使って肌の瑞々しさを取り戻しニキビを予防するためのマッサージ(500バーツ)
②ニキビ処置(150バーツ)
③白い固形物を擦り付けて肌の若々しさを取り戻すためのアンチエイジングマッサージ(700バーツ)

ニキビ処置の手順は、金属製の金具でニキビを潰してから、綿棒を2本使って膿を出し、そこに注射をするという流れだった。小さなニキビは、膿を出す手順が省かれていた。

アンチエイジングの効果については今ひとつ実感を持てないでいるが、とりあえず巨大なニキビ1ヶ所と小さなニキビ20ヶ所は取り除かれた。

このコース、日本のエステでやったら13,400円ぐらいかかるらしい。バンコクの中間層のあいだでは一般化しており、 OL や女子大学生だけでなく男性も通っているという。

その後、4階にある中華料理店「上海小龍包」へ行って夕食をとった。帰宅後に大急ぎで荷造りをして、タクシーに乗り込み、午後10時40分にバンコク・トーンムアング空港に到着。インド航空 AI 306 便で成田空港へ向かった。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。