特典旅行で乗るユナイテッドファースト

「あ、ごめん。いま、ものすごく体調が悪くて、電話に出られなかったの。本当は迎えに行きたいところなんだけど、この調子ではダメっぽい。そうだ、ウチに寄っていかない? そうすれば、すべてがバッチリになるはずよ」

午後11時40分、バンコク・ドーンムアング空港の駐機場から旅客ターミナルへ向かうシャトルバスに乗り込み、携帯電話の電源を入れて友人に帰国の報告をしたところ、冒頭のように話していた。今回はパーフェクトな空の旅を目指していたが、あともう少しのところで失敗に終わった。でも、相手が体調不良とあっては仕方ない。約7時間にもおよぶ空の旅ですっかり疲労困憊していたため、友人からの誘いは断って、まっすぐ帰宅した。

4日前、いつものようにユナイテッド航空のエコノミークラスの航空券(1年オープン, 52,040円)を手配してもらおうと友人に依頼しところ、ハイシーズンのため予約を入れることができなかった。そこで別の方法について尋ねてみると、ユナイテッド航空のウェブサイトにログインして、現在利用可能なマイル数を確認してみるように勧められた。49,873マイル貯まっていた。

留学をはじめてから、きょうで1,499日が経過した。その間に飛行機でさまざまな都市を旅行したが、これまでマイレージに対してまったく関心を持っていなかったため、こんなにもたくさんのマイルが貯まっていようとは思ってもみなかった。

ユナイテッド航空では、飛行機に乗ることでマイレージと呼ばれるポイントが貯まるマイレージプラスプログラムを実施している。ユナイテッド航空のウェブサイトでマイレージプラス会員の登録をして無料のアカウントを開設することでポイントが貯められるようになり、蓄積されたポイントは「マイル」という単位で計算される。一般の会員資格でエコノミークラスに搭乗した場合、それぞれ成田バンコク間の片道で2,868マイル、成田ロサンゼルス間の片道で5,451マイルが加算される。

貯まったマイレージは、特典旅行券(無料航空券)を手に入れたり、ビジネスクラスにアップグレードしたりするときに使うことができる。アジア域内のフライトの場合、それぞれエコノミークラスで20,000マイル、ビジネスクラスで30,000マイル、ファーストクラスで40,000マイルを消費することで特典航空券を手に入れることができる。

12月16日にバンコクで友人の結婚式があるため、どうしてもその前日の12月15日までにバンコクへ戻っている必要があった。そこで、まだ空席があるファーストクラスの座席を80,000マイル使って確保するか、もしくは非常に割高な正規運賃を支払ってエコノミークラスの航空券を購入するかの二者択一を迫られ、今回はユナイテッドファーストに乗ることにした。

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搭乗手続が締め切られる時間ぎりぎりに成田空港に到着し、コンビニへ寄って日本でしか売ってないお菓子を大量に買い込んでからチェックインの手続きを済ませ、出国審査を受けてから、ユナイテッド航空のファーストクラス専用のラウンジへ向かった。駐機場を一望できるソファー席に腰を下ろし、ワインを飲みながら友人と電話をしてから飛行機に乗り込んだ。

かねてから一度は体験してみたいと思っていた 1A の座席に座って、ファーストクラスのコース料理を満喫した。味はそこそこ、普通の料理店ならもう二度と行かないというレベルだった。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。