サヤームパラゴン

「疲れた」

午後1時半、高架電車 BTS サヤーム駅前にある複合商業施設「サヤームパラゴン」で、友人はゲッソリとした表情でそう言った。

サヤームパラゴンは、サヤームインターコンチネンタルホテル(1972-2002)の跡地、敷地面積83,200平方メートルの土地に約150億バーツを投じて建設された複合商業施設で、2005年12月9日に開業した。サービスアパートメント、ホテル、250店舗以上の高級ブティック、50店舗以上の宝飾品店、15映写室全5,500席+Imax600席の映画館、1,800席のオペラハウス、50,000人収容のコンベンションセンター、14,000平方メートルの自動車展示場、30店舗の飲食店、百貨店、専門店、書店、スーパーマーケットなど、都市にあるべき施設はすべて備わっている

しかし、個人的な印象としては「ただ広いだけ」の一言に尽きる。タイを代表する商業施設だけあって、それこそ世界的なブランドのブティックが勢揃いしているが、内装の貧弱さには目を覆いたくなる。突貫工事でムリヤリ開業日に間に合わせたこともあって、ペンキが至る所に飛び散っており、天井には塗装されていない部分まであった。1階のレストラン街も、広大な空間に膨大な数の料理店が配置されているだけで、それぞれの店舗の間仕切りが1.5メートル程度と低いため、落ち着いて食事をとることもできない。これでは1,000人収容を収容できる巨大な食堂で食事をとるのと何も変わらない。

タイの商業施設といえば、日本のように小さなスペースに専門店をぎゅうぎゅうに詰め込んでいるといったイメージが強いが、サヤームパラゴンは、アメリカにある郊外型商業施設に似ていて広く、必要なものを手早く買うのにはあまり向いていない。冷房が効いている巨大で多層なお散歩広場といったところか。ちなみに、この施設の売りは、地階にある東南アジア最大規模の水族館 Bangkok Siam Ocean World (入場料450バーツ)とされている。

昼すぎ、高架電車サヤーム駅の前にある複合商業施設「サヤームパラゴン」1階の日本料理屋「大戸屋」へ行って友人と昼食をとった。駐車場へ戻ると、クルマのタイヤに釘が刺さってパンクしていたため、アソークモントリー通りのガソリンスタンドまで行ってタイヤを補修(120バーツ)してから、タイスキ屋 MK で友人たち7人と夕食をとった。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。