「わたしには都心のパブの方が向いているわ。ライブは昨日のヤオワラートよりマシだけど、なんかこう・・・・・・何から何までダサいのよね。この際、郊外にあるパブは全部切り捨てて、これからは都心のパブを中心に回りましょうよ」
午前零時10分、ガセートナワミン通りにあるパブ「グラチュート」で、見るからにイケてないバンドの演奏を聴きながら、友人はウンザリとした表情で言った。
僕たち「パブ探検隊」は、都内ブングム区に最前衛のパブがあると聞きつけて、スクンウィット13街路にある住まいから北東に11.5キロのところにあるパブ「グラチュート」へ出かけた。メンバーは、銀行員OL(月給約80,000バーツ)、皮膚科女医(半日勤務月給約40,000バーツ)、日本人留学生(月間予算63,000バーツ)といった「バンコク中間層の中の上」の3人組だった。閉塞感漂うバンコクのナイトライフを少しでも楽しくするために、これまで足を踏み入れたことのないパブを探して、ライブを聴きながら優雅にウイスキーグラスを傾けることを活動の目的としている。
今回の情報源となった日刊紙のウェブサイト Manager Online によると、パブ「グラチュート」は昨年の2月にオープンし、若者たちのあいだで人気のインディーズ系に強いという。全400席で最大900人まで収容できる。300台収容の駐車場はバンコク都内のパブとしては屈指の規模だが、雰囲気と客層を基準に店を選んでいる友人たちはすぐに落第点を下した。全然インディーズ系じゃなかったし、若者もいなかった。マスコミの店舗紹介なんて、いつもウソばっかりだ。結局まんまと騙された。
けさ、チョンブリー県にあるバーングセーン海岸へ行って友人たち10人とちょっとしたリゾート気分を味わってから、海鮮料理店「ワングムック」で夕食をとり、大急ぎでバンコクまで戻ってきた。その後、ガセートナワミン通りにあるパブ「グラチュート」へ別の友人たちと出かけた。