タイ人の女性は日本人をAV男優のようなサディストだと思っていた

「日本のアダルトビデオに出演している男優たちがとてもサディステックだったから、日本人の男性はみんな男優たちと同じように残虐で恐ろしいのではないかと思っていた。私だけではなく、きっと私の友人たちも同じようなことを考えていたはずよ。でも、実際に会って話をしてみると、案外そうでもないようで不意を突かれて驚いた、というか拍子抜けをしてしまったわ。まあ、ハリウッド映画に出演している俳優たちがいくら美男や美女ばかりでも、アメリカ人の全員がそうであるわけではないのだから、イメージばかりが先行していたということなのかしら。外国や外国人に対する認識不足って、本当に恐ろしいわね」

午後8時半、ガセートナワミン5街路にあるタイ料理店 เพื่อนเดรัจฉาน(プアンデーラットチャーン:動物のおともだち)で友人たちと夕食をとっていたところ、友人のひとりがそのようなことを話していた。全長7メートルもある大蛇や世界一小さいという猿たちに囲まれながら、「まったくそのとおりだ」と言ってうなずいた。

なにしろ、タイフリークと呼ばれている一部の日本人男性たちの手にかかれば、タイの国内に6500万人いるタイ人のうち全体のわずか0.02%を占ているにすぎない、日本人の男性観光客を相手に恋愛サービスを有償で提供している娼婦たちの存在が、あたかもタイ人女性の標準や多数派であるかのように語られてしまうのだから、外国人に対する思い込みや認識不足がいかに恐ろしいかよく分かる。日本人の男性たちがタイ人の男性たちから受け入れを拒否されたゴミ同然のタイ人娼婦たちの受け皿となっていることを考えると、同じ日本人として、とても情けなくなってきた。

夜、ガセートナワミン5街路にあるタイ料理店「プアンデーラットチャーン」で友人たち3人と夕食をとった。1日に5匹の鶏を食らうという大蛇のほか、多数の生き物たちが店で飼われていることもあって、料金はほかと比べて若干割高だったが、個性的なメニューが多く、味のほうもなかなか良かった。ソーイ(街路)のかなり奥まったところにあるため、バンコクの郊外に不慣れな方にはちょっとした冒険になるかもしれないが、もし夕食をどこで食べようかと悩んでいる人がいたら一応オススメしておきたい。

なお、檻と食堂はガラス板によって仕切られているため、ある程度の衛生状態は確保されている。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。