大学院修士課程の修了認定試験の追試験を受けてきた

「まるで『ちょっと買い物へ行ってくる』みたいな軽いノリで出かけていったから、解答用紙に何か適当なことを書くだけで合格できるような簡単な試験かと思ったじゃないの。なんでそんな重要な試験があることを先に言わなかったのよ? もし最初から知っていたら、プーゲット旅行なんか絶対に行かせなかったのに!」

午後12時10分、ヂュラーロンゴーン大学の文学部4号館の前は、すでに学部が3ヶ月間の夏期休暇に入っていたため、ひっそりと静まりかえっていた。今回の再試験の真相を知った友人は、電話口でそう言って過日の僕のお気楽さを責めた。確かに、傍目には少しお気楽すぎるように映っていたかもしれない。

きょうは午前7時半に起床した。午後9時から文学部4号館にある小さくて細長い101号教室で、東南アジア研究科修士課程の修了認定試験の追試験を受けた。先月24日の試験では、出題された3問のうち1問で不合格となっている。修了認定試験は2回不合格になると即刻除籍処分が確定するため、今回の追試験で不合格になると、これまで4年間の留学の成果が水泡に帰すことになる。

大学院の修了認定試験を受けてきた

2006.02.24

前回の試験で不合格になった原因は明らかだった。格調高い英文で正確に答えるために、全部で3問あった小論文のうち2問だけで、与えられた6時間の試験時間のうち5時間半も費やしてしまった。のこりの1問(東南アジア植民地論)については、それこそ英文の正確性や芸術性を完全に無視して、半ばヤケクソになって猛ダッシュで書き殴った。当然、解答用紙は悲惨な状態になっていた。アメリカの落ちこぼれの中学生が書いたかのようなアホみたいにデカい文字で、稚拙な英文を何ページにも渡ってズラズラと並べてしまった。こんな情けない答案でタイの最高学府といわれているヂュラーロンゴーン大学が学生に学位を認定するはずがない。もし研究室が温情をもって修了を認めたとしても、大学院の本部が絶対に許さない。

だから、今回は時間をたっぷりとかけて、不合格となった1教科の小論文を3時間まるまる使って書き直せばいい。

午後、アソークモントリー通りにある日本大使館の領事部へ行って在留証明書の発給を申請し、セントラル百貨店のピングラーオ店で入社前最後となるストレートパーマを3,500バーツ出してかけ、プラトゥーナーム交差点にある食堂「カーオマンガイトーンプラトゥーナーム」で友人と夕食を取ってから帰宅した。

8 件のコメント

  • ご無沙汰です。以前書き込みしたことあるのですが、なんの名前でしたか覚えてなくソムタムが好きなのでmalakoとしときます。
    チュラの試験は過酷そうですね。この再試験を拝見するとあとがないので、プレッシャーというかそのための集中力がどれだけ必要だったか想像できません。私も以前、国家試験を受けたときの一発onlyの状況を少し思いだしました。不思議なものであのとき崖っぷちで修羅場だと思っていたことが通りすぎて日々仕事に追われていると、あのときの経験がぼやけた感じになって忘れてしまうんですね。個人的ですけど。
     ところでケイイチさんは日本に戻っていたのですね。いつもこの更新を楽しみにしているのですがやはり働きだすと日々忙しくてなかなかアップできないですよね。
    そういえば、このサイトで知ったスコータイホテルの隣のホテルの最上階のバーに3月行ってきました。なかなか良かったです。絶景でした。ありがとうございます。行った相手が現地で働きだした日本人の野郎だったので少し残念でした。。次はthe domeも覗いてみたいです。
     ケイイチさんのブログはひとことひとこと思いが詰まっていて、考えさせられるのでぜひ続けてほしいものです。
    ちなみにどうでもいいことかもしれないですがケイイチさんは日本で食べたソムタムで一番おいしいとこはどこでしょうか?(自分で作ればいいんでしょうが)
    こう日々ストレスがたまって疲れた体にうまいソムタムとビールが格別です。
    ではでは。   

  • ご無沙汰です。以前書き込みしたことあるのですが、なんの名前でしたか覚えてなくソムタムが好きなのでmalakoとしときます。
    チュラの試験は過酷そうですね。この再試験を拝見するとあとがないので、プレッシャーというかそのための集中力がどれだけ必要だったか想像できません。私も以前、国家試験を受けたときの一発onlyの状況を少し思いだしました。不思議なものであのとき崖っぷちで修羅場だと思っていたことが通りすぎて日々仕事に追われていると、あのときの経験がぼやけた感じになって忘れてしまうんですね。個人的ですけど。
     ところでケイイチさんは日本に戻っていたのですね。いつもこの更新を楽しみにしているのですがやはり働きだすと日々忙しくてなかなかアップできないですよね。
    そういえば、このサイトで知ったスコータイホテルの隣のホテルの最上階のバーに3月行ってきました。なかなか良かったです。絶景でした。ありがとうございます。行った相手が現地で働きだした日本人の野郎だったので少し残念でした。。次はthe domeも覗いてみたいです。
     ケイイチさんのブログはひとことひとこと思いが詰まっていて、考えさせられるのでぜひ続けてほしいものです。
    ちなみにどうでもいいことかもしれないですがケイイチさんは日本で食べたソムタムで一番おいしいとこはどこでしょうか?(自分で作ればいいんでしょうが)
    こう日々ストレスがたまって疲れた体にうまいソムタムとビールが格別です。
    ではでは。   

  • > malako さん

    こんにちは。いつもバンコク留学生日記をご覧くださり、ありがとうございます。

    やはり「後がない」状態になると、人間不思議と集中力が出てくるものですね。僕の研究室は、チュラの修士課程の中では中の中程度の難易度と言われているそうですが、正直なところ自分の能力の限界を感じました。最難関のサスィン経営学修士課程とか、僕には絶対に無理っぽいです。お隣のタイ研究科では博士課程も開講しているそうですが・・・これも無理そうなので止めておきます。それにしても、タイの一流大学卒生や世界の一流大学卒生達と机を並べて一緒に頑張るのって、ホントウに冷や汗ものでした。僕は決して優等生などではありませんでしたが、彼らが次々と脱落していくなか、よくもまあ持ちこたえられたものだと自分でも感心しています。

    現在、僕は3ヶ月の新入社員研修中で、現場での単純労働に従事しているため、どうしても文化的感覚に乏しくなってしまって、文章を書く気分になれずにいます。社内徴兵制のようなものかもしれませんが、無為な日々を送っている自分に苛立ちのようなものを感じています。

    スコータイホテルの隣にあるホテルといえば、バンヤントリーホテルのことですね。あそこの最上階にあるオープンエアーのバーは最高ですね。僕もバンコク最後の夜をオシャレに過ごそうといろいろと考えたのですが、予算と時間の関係でどうしても実行できませんでした。ぜひ、また行ってみたいですね。

    ちなみに、僕はソムタム、苦手なんですよ。懐かしい話ですが、僕がタイ語を学びながらラーチャテーウィー駅付近の比較的貧しいアパートに住んでいた頃なんて、あの臭いにキレて「ソムタム持ち込み禁止令」を出したほどです。その後は、あの臭いには慣れましたが、どうしても食べようとは思いませんでした。ソムタムは、タイ復帰後の5年で食べられるようになりたいと思います。

    東京の味気ない生活をしていると、今すぐにでも飛行機に乗ってバンコクへ行きたくなります。そんなお気楽なことをしていては会社をクビになってしまうので無理ですが、それでもあのバンコクの夜空の下で、またビールを飲みたいですね。

    実は・・・バンコク留学生日記の最終回は、7月を予定しています。もうあまり長くはありませんが、今後ともよろしくお願いします。それと、もしかしたら「バンコク駐在員日記」と名前を変えて、数ヶ月後か数年後かに復活するかもしれません(笑)

  • > malako さん

    こんにちは。いつもバンコク留学生日記をご覧くださり、ありがとうございます。

    やはり「後がない」状態になると、人間不思議と集中力が出てくるものですね。僕の研究室は、チュラの修士課程の中では中の中程度の難易度と言われているそうですが、正直なところ自分の能力の限界を感じました。最難関のサスィン経営学修士課程とか、僕には絶対に無理っぽいです。お隣のタイ研究科では博士課程も開講しているそうですが・・・これも無理そうなので止めておきます。それにしても、タイの一流大学卒生や世界の一流大学卒生達と机を並べて一緒に頑張るのって、ホントウに冷や汗ものでした。僕は決して優等生などではありませんでしたが、彼らが次々と脱落していくなか、よくもまあ持ちこたえられたものだと自分でも感心しています。

    現在、僕は3ヶ月の新入社員研修中で、現場での単純労働に従事しているため、どうしても文化的感覚に乏しくなってしまって、文章を書く気分になれずにいます。社内徴兵制のようなものかもしれませんが、無為な日々を送っている自分に苛立ちのようなものを感じています。

    スコータイホテルの隣にあるホテルといえば、バンヤントリーホテルのことですね。あそこの最上階にあるオープンエアーのバーは最高ですね。僕もバンコク最後の夜をオシャレに過ごそうといろいろと考えたのですが、予算と時間の関係でどうしても実行できませんでした。ぜひ、また行ってみたいですね。

    ちなみに、僕はソムタム、苦手なんですよ。懐かしい話ですが、僕がタイ語を学びながらラーチャテーウィー駅付近の比較的貧しいアパートに住んでいた頃なんて、あの臭いにキレて「ソムタム持ち込み禁止令」を出したほどです。その後は、あの臭いには慣れましたが、どうしても食べようとは思いませんでした。ソムタムは、タイ復帰後の5年で食べられるようになりたいと思います。

    東京の味気ない生活をしていると、今すぐにでも飛行機に乗ってバンコクへ行きたくなります。そんなお気楽なことをしていては会社をクビになってしまうので無理ですが、それでもあのバンコクの夜空の下で、またビールを飲みたいですね。

    実は・・・バンコク留学生日記の最終回は、7月を予定しています。もうあまり長くはありませんが、今後ともよろしくお願いします。それと、もしかしたら「バンコク駐在員日記」と名前を変えて、数ヶ月後か数年後かに復活するかもしれません(笑)

  • ABOUTこの記事をかいた人

    バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。