東南アジア価値観論の講義で、運河を利用した都市開発について学ぶために、トンブリー朝(1768-1782)の王都が置かれたトンブリー地区にあるチャックプラ運河(バーングクンスィー運河とも呼ばれる)へ出かけた。
チャックプラ運河はヂャーオプラヤー川の旧本線で、スワンナキリー寺の対岸にあるバーングコークノーイ運河からパースィーヂャルーン運河経由でバーングコークヤイ運河までの全長約8kmの区間を結んでおり、現在では用水路、水上交通路、観光資源などとして用いられている。その名称は旧暦の12月にナーンスィー寺で行われていた行事に由来しているという。
きょうはタリングチャン区役所の前から大学がチャーターした高速船に乗り、いまだ運河と密接な生活を送っている人々の生活をかいま見ながら、運河沿いにあるさまざまな仏教寺院に寄りつつ、環状線になっている運河を一周してタリングチャン区役所の前にある船着場まで戻ってきた。
この講座を担当している外国人の講師によると、水路交通がバンコクの交通における重要な位置を占めていた頃にあった「船首像」の文化は、現在でもバンコクの都内を走る路線バスをはじめとする公共交通機関が車体の前面に掲げている国旗や国王旗に受け継がれているという。
タリングチャン区役所前の船着場にある水上食堂で昼食をとってから、王室の典礼船が係留されている海軍基地を見学した。