日本の文化はタイの社会秩序を壊乱している

「マンガに代表される日本発のサブカルチャーが世界的に拡散していくなかで、タイの文化はその悪い影響をモロに被ることになった。タイにおける社会問題の元凶は、すべて日本の腐りきった文化にある」

バンコク北部にある大型スーパー Big-C ウォングサワーング店にある仮設のビアガーデンで、国立大学の制服を着ている友人はビアスィング(シンハビール)の中ジョッキを豪快に飲みながら日本文化の低劣さを徹底的に糾弾した。

バンコク都内の書店ではタイ語に翻訳された日本のマンガ本が、また、電脳街「パンティッププラザ」や高架電車のサーラーデーング駅前にある露店では日本のアダルトビデオの海賊版が売られている。そのため、日本の文化は暴力と変態行為の代名詞として、一部のタイ人のあいだで認識されつつある。さらに、緑茶のテレビ CM を通じて、「ハラキリ」などの伝統文化が誇張されたかたちで伝えられたことで、一部のタイ人は日本人は冷酷であるという誤った認識を持っているようだ。

内心、タイの若者文化は日本以上に退廃しきっているし、ソープランドの数もタイのほうが断然多い・・・・・・と反論しようかと思ったが、友人の祖国を面と向かって否定したところで百害あって一利なし。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。