電脳街パンティッププラザのいま

タイ政府は著作権が軽視されている国内の状況について、外国からの圧力を受けるたびに海賊版ソフトウェア撲滅のデモンストレーションを行ってきた。バンコクの電脳街「パンティッププラザ」で海賊版のソフトウェアを販売している店舗は、タイの警察本部と商務省が昨年実施した取り締まりによって一時的に全滅したが、いつの間にか息を吹き返し、いまでは以前にも増して賑わっている。音楽や映画をはじめ、パソコン用アプリケーションなどの海賊版 DVD を特に多く扱っている2階のフロアでは、客引きの男たちが通路を塞いで営業活動をしている。

パンティッププラザへ行って海賊版のソフトウェアを手に入れるためには、カラーで印刷されているパッケージのコピーが入っているアルバムから目的のソフトウェアを見つけ出してから、料金を全額前払いして手書きの引換券を受け取り、指定された時刻(発注約20分後)になったら戻って受け取ればよい。海賊版のソフトウェアは、駐車場に駐めてあるクルマに在庫してあるか、もしくは店先にあるパソコンで受注生産をしている。客引きのあとについて人通りが少ない一角へ行くと、椅子に座りながらゆっくりと選べる場所があり、在庫があればそのまま持ち帰ることもできる。

きょうは午後の講義に出席してから、バンコクの電脳街「パンティッププラザ」へ友人と出かけ、パソコンを再インストールするために必要となるソフトウェアを調達した。帰りにスィーロム通りにある珈琲屋 Bug and Bee へ寄ってペーパーを書くつもりだったが、やる気が起こらなかったためコーヒーを一杯だけ飲んで帰宅した。パンティップで買い物をすると、体力をものすごく消耗する。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。