「パッタヤーで国際音楽祭があすから3日間の日程で催されるんだけど知ってる? そのためにホテルの部屋を押さえておいたんだけど、ドタキャンされて一緒に行く相手がいなくなっちゃったのよね。すでに前払いしてある600バーツの宿泊代金をドブに捨てるのももったいないから、もし良かったらどうかしら?」
きのうの昼に友人から誘われて、きょうはバンコクの南南東140kmほどのところにあるビーチリゾート、パッタヤーまで来ている。
「パッタヤー市の当局はなかなかの商売上手よね。公道を民間の商店に貸すことで、かなりの収益を上げているはずよ」
パッタヤー国際音楽祭 (Pattaya International Music Festival) の開催にともない、北パッタヤーと中央パッタヤーの区域にある海岸通りはすべて通行止めとなり、白いテントがひしめき合う即席のショッピングモールになっていた。白いテントを張っている屋台街には、食料品以外にもOTOP商品(タックスィン・チンナワット政権の一村一品政策によって創られた地域の特産品)や旅行代理店のブースもあった。
その影響で、一方通行ばかりのパッタヤーの交通は完全に麻痺し、市内各所で深刻な渋滞が発生していた。北パッタヤー通りにある大型スーパー Tesco Lotus にクルマを駐めて夕食をとり、そこからバイクタクシーの後部シートに友人と乗ってコンサート会場へ向かったため、なんとか目的地の会場までたどり着けたが、クルマやソングテオ(乗合トラック)で移動していた人たちは、おそらく到着までに気が遠くなるほどの時間を費やしたはずだ。
海岸通りでバイクタクシーを降り、通りに出ていた屋台でストロベリー味のかき氷を10バーツで買ってから、市内の3ヶ所に設けられているステージのなかで規模がもっとも大きい青ステージ Love Box へ行った。このコンサートには、 Tata Young をはじめ AB Normal などタイポップスの有名歌手のほか、日本からも Lucifer のマコトが参加している。会場は超満員で、ステージから100メートルの範囲内に接近することができなかったため、5分もしないうちに会場から引き揚げ、クルマを取りに Tesco Lotus へ戻ってからホテルへと向かった。
結局、パッタヤー国際音楽祭を楽しむことはできなかったが、パッタヤーまで泊まりがけでドライブに来たと思えばそう悪くない。