「もしタイにこんなスゴい滝があったら、もっと本腰を入れて観光開発に乗り出しているはずよ。たとえば、あの岩の先端まで行けるように木造の橋を設けたり、トッククローングプルーの滝のように50メートルおきに警備員を配置したりして安全性をアピールするんじゃないかしら」
午後12時半、コーンパペングの滝で友人は言った。バンコク人の安全に対する意識は日本人が考えているより高い。メーコーング川のすぐ対岸にあるカンボジア領を臨みながら眺める、勢いよく下ってくる大量の水には圧倒された。
コーンパペングの滝は、パークセーの南およそ150km、悪路のなかを3時間ほど走ったところにある。 東南アジア圏内にある滝としては最大の、高さ約21メートル、全幅約300メートルを誇り、「第二のナイアガラ」の別名でも知られている。「観光といえば滝」といった旅行哲学を持っているタイ人たちのあいだではとても人気があり、この年末年始の休暇を利用して訪れている観光客の90%以上がタイ人だった。ちなみに、ここにある簡素な物見櫓は、1993年7月にタイ政府の援助によって建てられている。
きょうは、午前5時半に起きて、パークセーの新市場を2時間ほどかけて散策してから、ゲストハウスへ戻って午後10時まで仮眠をとったあと、パークセーの新市場でノーイナーがチャーターした運転手付きのワンボックスカー(2日間6,000バーツ)に乗って、コーンパペングの滝へ向かった。東南アジア研究科の学生ということで、いちおうワットプー遺跡を見物しておいた。この寺院はユネスコの支援によって部分的に修復されているが、それでも原形をほとんど留めていない。パークセー市内の中華料理店で夕食をとり、宿泊先のゲストハウス「ナーリーンターヂャルーン」へ戻った。
いろんな場所を見物して体力を使い果たし、7人とも午前零時に放送される新年のカウントダウン番組を観る前に眠りに落ちた。写真は、オイルマッサージのために立ち寄ったパークセーで最高のホテル Champasak Palace hotel Pakse の正面噴水前で撮影したもの。