ヂュラーロンゴーン大学文学部主催の集中タイ語講座は、タイ語で論文が書けるようになることを目指している外国人のための講座とされている。授業では英語とタイ語の2ヶ国語が使われており、受講生は英語が話せて当然といった雰囲気がある。
“Do you speak in English?”
「英語は話せるか?」
放課後、文学部ボロムマラーチャグマーリー館7階にある教室前で、初級3から加わったアメリカ人学生に英語で声をかけられた。タイ語の発音は初級1のころエーンに徹底的に矯正してもらったから問題ないが、英会話は実践したことがないため恥ずかしい発音しかできず英語を話すことには強い抵抗感がある。それに、ある参考書では外国語を勉強しているときに別の外国語を同時に勉強してはいけないとアドバイスされている。これまで作り上げてきた「タイ語脳」が英語を話すことで破壊されてはかなわない。
“I can speak in English, but I don’t wanna do so.”
「英語は話せるけど、そうしたくない」
苦手な英語は話したくないというのが本音だが、変に取り繕ったところで仕方ない。集中タイ語講座を修了したらイギリスへ行って英語でも勉強しようかな。
それにしても、ここはタイ語のクラスなのに、どうしてタイ語ではなく英語を使おうとするんだろう。