無題

タイの国内で市販されている抗ヒスタミン系の総合感冒薬は、日本のものに比べて有効成分の含有量が多いため、服用後に予期せぬ強烈な眠気に襲われることがある。エーンが買ってきてくれたタイレノールという市販薬も同様で、昼すぎまで寝たり起きたりを繰り返していた。

午後、ペッブリー18街路にある住まい Venezia Residence 6階の自室へ、エーンと破局状態にあるアップルとシェーンのふたりが遊びに来たが、両者のあいだにこれといった会話はなく、険悪な雰囲気のまま帰っていった。

夕方、パソコンに向かってきのうの新出単語を単語帳に書き加え、すぐに暗記に取りかかった。エーンがパソコンの MSN Messenger でアップルとチャットをしていたところ、とつぜん立ち上がって浴室へ駆け込み、服を着たままなぜかシャワーを浴びはじめた。特に説明もなかったため何が起きているのかまったく分からなかったが、とにかく淡々と単語の暗記を続けた。みんな、それぞれ別々の理由で、精神的にかなり参っているみたいだ。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。