娼婦達の営業ポリシー

およそ半年ぶりにバンコクのナイトスポットへ足を踏み入れた。まずスクンウィット15街路にある外国人向けの娼婦調達バー「テルマエ・バー&コーヒーハウス」へ行ってタイ語が話せないフリをして娼婦たちをからかってみた。

カウンター席に座って英語だけで話していると、語学留学時代にタイ語ばかり使っていた頃に比べて明らかに娼婦ウケが良いようで、つぎつぎと声をかけられた。そうこうしているうちにタニヤ通りにある日本人向けの夜の歓楽街で働いていたという元ホステスが片言の日本語で話しかけてきた。

意外にも娼婦たちは正直者ばかりで、意地の悪い質問にも丁寧に受け答えしてくれた。たとえば「今晩イケてる客はあなたしかいないようね」と話していた娼婦に、どんな客がイケてるのか聞いてみたところ「この店に来たことがない旅行者で日本国内に職を持っている人」という返事が返ってきた。

その娼婦が去ったあとに流暢なタイ語で話しかけたときの別の娼婦たちの驚いた顔といったらまったく見物だった。

この店は、ほかの性風俗関連の施設より娼婦の容姿は圧倒的に劣っているし、話の相手をしてもらうのも難しいため、長期滞在者たちにはオススメできない。新手の語学留学生の一団が無料セックスをゲットするために積極的にアプローチしているようだったけど、手応えがあるようには見えなかった。

それでもただ単に人が集まるバーで音楽に身を任せながら酒を楽しみたいというのなら特段悪い店ではない。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。