バンコクの日本人社会には有象無象のウワサが流布している。原因は主に情報収集(力)不足や勝手な思い込み。それからウワサの発信源がおかれている特殊な環境など。
これまでバンコクの私立大学に通う学生はハイソだと言われてきた。そりゃあ、一部の日本人が大好きな娼婦よりは遙かに豊かだし、平均的なバンコク人の世帯所得も日本人の現地採用世帯と同程度の水準にはあるけれど、それを「ハイソ」と表現するのはあまりにも乱暴すぎる。
夜、アサンプション大学を卒業したばかりの友人とスクンウィット53にある格安居酒屋「いもや」で酒を飲んだ。いろいろな話をしているうちに、友人が卒業した大学の話になったので、さっそくバンコクの日本人社会に流布するウワサの真相を聞いてみることにした。
質問: 私立の名門と言われているアサンプション大学(ABAC)とグルングテープ大学(バンコク大学)、ホントはどっちのほうが上?
「どっちも同じぐらい簡単に入学できるし、どっちも同じぐらい簡単に卒業できるよ。でも、就職力で比べればアサンプション大学のほうが圧倒的に有利。だって卒業後に優良企業に就職できるのは、ヂュラーロンゴーン大学、タンマサート大学、それとアサンプション大学の3学だけだから」
質問: アサンプション大学の学生って超金持ちだと言われているけどホント?
「そんなことないよ。年間の授業料はだいたい10万バーツぐらいで国立大の2倍ぐらい。日本やアメリカ並みの授業料っていうのはウソだね」
質問: 期末試験の成績が悪くても、講師を買収すれば単位がもらえるっていうのは?
「そのウワサは聞いたことあるけど、そんなに有名な話なの?それに実際に買収して単位をもらった学生っていうのに会ったことないから、あんまよく分からないよ」
母校を悪くいう人はいないという前提で聞いても、どうやら日本人社会のウワサとは相当の隔たりがあるようだ。
ちなみにアサンプション大学卒の平均的な賃金は20,000バーツ前後らしい。