第4回文学部コンサート

「思い返せば、入学したときはクラスにもオトコがたくさんいたけれど、年々その数は減り続けて、いまでは片手で数えられるほどになってしまった。そのオトコたちはいったいどこへ行ってしまったかって?それはもうご存じの通り、眉毛を抜いて厚化粧して『きゃはっ♥』とか言いながらはしゃぎ回ってるし、そうならなかった学生たちもすっかり男前になって格好いいオトコを見つけようと日々目を輝かせているよ。――それで、俺はまだ男かって?それはみなさんのご想像にお任せします」

午後の「近代東南アジアの植民地化・民主化・民族主義」の講義を終えてから校舎から出てみると、文学部ボーロムラーチャグマーリー館の外で学部生たちがパーティーの準備をしていた。クラスメイトによると、8日に文学部学生自治会の改選があって、これは旧執行部の退任コンサートという。学生自治会の委員長がなかなか愉快なトークをしていたので、蚊に刺されるのも忘れてクラスメイトたちと日が落ちるまでパーティーに見入ってしまった。内容は主に外国語専攻の学生たちによる世界各国のポップミュージックのカラオケ大会で、スペイン語学科の学生がマライア・キャリーのヒーローを完璧に歌って会場を埋め尽くした学生たちを驚かせていた。

その後、日本人の友人とサームヤーンにあるヂュラーロンゴーン大学のプワングチョンプー学生寮へ行って別のコンサートを見物した。

きょうは、午前の講座でミャンマー史とタイ史について学んだ。タイ人クラスメイトから、ワンナーというカンボジア人クラスメイト(男性)の名前が、タイでは通常女性の名として用いられるものと耳打ちされた。タイ語とカンボジア語は同じ言語が語源になっているだけあって、古典的な単語には多くの共通点があるらしい。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。