自動車の故障2

午後3時にスクンウィット22街路にある自動車整備工場へ行って自動車整備工に様子を聞いてみたところ、エンジンに供給する酸素量を調節しているエアフローメーターが完全に壊れていて、修理をしても直る見込みがない。新品のエアフローメーターはべらぼうに高いため、いまは中古のエアフローメーターが届くのを待っているという。

午後7時半にふたたび自動車整備工場へ行ったところ修理は終わっていた。修理代は、それぞれエアフローメーター交換費用が9,200バーツ、別に依頼していた前照灯の清掃費用が300バーツの合計9,500バーツだった。

「日本車の部品なら安く調達できるが、欧州車の部品となると、どうしても高くついてしまう」

自動車整備工はそう説明していた。保守費用を最小に抑えたいなら、やはり日本車が一番のようだ。修理代金を支払って帰ろうとしたところ、会計係の女性従業員がフロントガラスに張られているステッカーを指さして言った。

「あなたのクルマ、自賠責保険の有効期限が切れているわよ。検問中の警察に見つかったら、1万バーツ以下の罰金または1年以下の懲役刑。罰金を払って釈放してもらうとしても、裁判所の裁定が下るまでの数日間は拘置所に拘留されるでしょうね。一刻も早く、保険会社に連絡して保険を更新しなさい。先日、あそこにいる彼が警察に捕まって500バーツの賄賂を払って難を逃れたって言ってたけど、あなたは外国人だからねえ……」

道路を走っていると、フロントガラスに貼られたポーローボーと納税証明書をチェックしている警察官をしばしば見かける。すぐに自賠責保険に入らないと本当にマズい。

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バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。