タイでの生活費

「タイで生活したいんですが、一ヶ月にどれぐらいあれば良いでしょうか?」

こういった質問をよく受けるけれど、まずはその人が思い描いているバンコクでの住環境や食生活について教えてもらえないことには何とも答えようがない。たとえば、僕のような生活をするんだったら、家賃だけで現地採用者の月給が吹っ飛んでしまうし、夕食だけで現地採用者の日給が吹っ飛んでしまう。バンコクでは「それ以上」の生活も「それ以下」の生活も自由に選べるのだから、必要な金額なんてひとことで答えられるはずがない。

月々の目安としては、貧困者として社会問題になっているタイ人農民のような生活で良ければ6,500バーツ(約2万円)、平均な大卒タイ人会社員(25歳)程度の生活なら23,000バーツ(約7万円)、③平均的な日本人現地採用者の生活なら45,000バーツ(約14万円)、僕のような生活なら83,000バーツ(約25万円)、⑤平均的な日本人駐在員のような生活なら130,000バーツ(約40万円)。

特に家賃相場が低い地域に住めば、近所に多くの屋台が出ているため食費を安く抑えることができる。逆に家賃相場が高い地域ではレストランまでの交通費がかかり食費も割高になる。ちなみに僕が住んでいるコンドミニアム Sukhumvit Suite の周辺にはタイ料理店が一軒もない。

スーパーマーケットで食材を買ってきて自炊するのも一案だけど、ここバンコクではあまり一般的ではない。スーパーで売られている食材は値段が高く、せっかく自分で料理を作っても外食するより費用がかさんでしまう。経済的に生活したいのであれば、屋台で食事をとるのが一番のはず。ただし、毎朝のように市が立つような地方都市に住んでいれば、食材も格安で手に入るかもしれない。

発展途上国では、庶民向けの商品やサービスが格安で手に入る反面、贅沢品の価格は日本などの先進国より割高になる。安価な労働力にモノを言わせてサービスを提供している外国料理店はまだマシな方で、輸入家電となるとその値札を見て思わず目を疑うほど高い。

今晩、スクンウィット39街路にあるお気に入りのイタリア料理店「オペラ」でブワと夕食をとった。レシートを参考のために。

カクテル・マルガリータ@2 ฿280 / グラスワイン ฿140 / サラダ ฿200 / スパゲティー・カルボナーラ ฿250 / リゾット@half ฿150 / 小計 ฿1,020 / サービス料10% ฿102 / 付加価値税7% ฿78.54 / 合計 ฿1,200.54

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。