「これから高架電車の戦勝記念塔駅前にあるクラブSaxophoneで飲むから、もし時間があったら君もおいでよ」
昼過ぎにブワが何の前触れもなく僕の部屋にやってきた。日没後、ブワをピングラーオにある実家へ送り届けた。その帰り道に白人クラスメイトからショートメッセージが届いた。カンボジア旅行のときに、僕が酒に酔った勢いで英語で好き放題ぶちまけたのが大ウケしたという。
この店のカクテルは1杯140バーツから。イギリス人クラスメイトの英語が聞き取りにくいとアメリカ人クラスメイトに打ち明けたところ、「わたしもイギリス英語のリスニングについては7割未満。理解は5割にも満たないんじゃないかしら。聞き取れてないのは君だけじゃない。心配しなくて大丈夫」と励まされた。その後、「インターナショナルとは何か?」といった話題から、次第にクラスメイトのゴシップネタへ移っていった。
それにしても、カンボジアで彼らと一緒に飲みに行くまでは、自分に笑いを取れるほどの英会話力があるとは思ってもみなかった。あるクラスメイトは「来学期から毎回アルコールを大量に摂取してから出席するといいよ。これだけ話せれば、ほかの学生も余裕で圧倒できるはず」と言う。しかし、そんなことをしたら講師からの怒りを買うこと疑いない。