「市民療養病院」

バンコクには、タイ語を話さない外国人をターゲットとしているサービスがたくさんある。衣・食・住、なにからなにまで至れり尽くせり。タイ語なんか話せなくても、タイで何不自由なく生活できると考えている日本人もきっと少なくないはずだ。もちろん、僕たちの健康を守る医療機関だってその例外ではない。

日本から遊びに来ている友人の体調が優れず、スクンウィット3街路にある富裕層向けの私立総合病院「バムルングラート病院」へ行くというので、ついでに僕も医者に診てもらうことにした。

これまでバムルングラート病院といえば、「なんとか通じるレベルの日本語を話す通訳を多数そろえている高級病院」というイメージしかなかったが、このほどあらたにファンキーな日本語を駆使する女性内科医が加わったことでだいぶ便利になった。

今回の医療費は、施設使用料90バーツ、診察料A1,100バーツ、診察料B1,000バーツ、レントゲン照射費440バーツ、レントゲン技術費220バーツ、薬代1,950バーツ(4種類)の合計4,511バーツだった。

ところで、この病院の名前「バムルングラート病院」を日本語に直訳すると「市民療養病院」となる。しかし、平均的な高卒タイ人労働者の月給にも匹敵するようなバカ高い医療費を支払える市民なんてどこにいるのか。そんな笑えないジョークを考えながら、病院のエントランス前でホテルのような制服を着ている警備員が交通整理をしている様子を眺めていた。

ちなみに、節約型の医療がお好みであれば、ヂュラーロンゴーン大学附属病院(プララームスィー通り・ラーチャダムリ通り交差点)、マヒドン大学付属シリラート病院(アルンアマリン通り・パラーンノック通り交差点)・ラーマーティッバディー病院(プララームホック通り・ラーチャウィティー通り交差点南)などがお勧め。たぶん待合室で一日中待たされることになるが、医療費は国民 ID カードを持たない外国人でも500バーツもあればなんとかなるはず。

僕たちはそんな贅沢ができるほど裕福ではないから、日本出国前に加入しておいた海外旅行傷害保険のキャッシュレス診療サービスを利用した。

夜、ホテル Royal Orchid sheraton で友人と夕食をとった。

ABOUTこの記事をかいた人

バンコク留学生日記の筆者。タイ国立チュラロンコーン大学文学部のタイ語集中講座、インテンシブタイ・プログラムを修了(2003年)。同大学の大学院で東南アジア学を専攻。文学修士(2006年)。現在は機械メーカーで労働組合の執行委員長を務めるかたわら、海外拠点向けの輸出貿易を担当。