先日、ヂュラーロンゴーン大学文学部の第4号館前で立ち話をしていたところ、クラスメイトから新しい「恋人の条件」について尋ねられた。しかし、10ヶ月間にわたって交際してきたブワと別れたばかりで、正直、まともに受け答えをするような気分にはとてもなれなかった。
ここバンコクには、恋愛サービスを提供している娼婦と有償の交際しているにすぎないのに、なぜか有頂天になって大喜びしているような犬にも劣る愚鈍な日本人男性たちがそれこそ掃いて捨てるほどいる。僕は常々、彼らを見るにつけ「犬が日本人の言葉をしゃべるな。俺たち日本人のほうが赤面するじゃないか」と言ってやりたい思っているものだから、今回はここぞとばかりに傍若無人な無理難題を並べてみた。それで「該当者なし」ということになれば、友人たちからいろいろ余計なお節介を焼かれずに済む。ところが、僕の思惑は見事に外れ、質問者を煙に巻いてウヤムヤにするどころか、かえって騒動を大きくするだけの結果に終わった。
そのとき僕が列挙した新しい「彼女の条件」はつぎのとおり(カッコ内は関連記事)。
- 現役の娼婦や元娼婦ではないこと(日記8月17日付参照)
- クックリット・プラーモート元首相の姓名を正しくタイ語で綴ることができ、かつ、その業績を不足なく説明できること(社会科高校1年生レベル・日記9月12日付参照)
- タイにおいて被選挙人が満たさなければならない要件を正しく説明できること(中学1年生社会科)
- 友人の彼女の名前「ワランカナー」(仮名)をタイ語で正しく綴れること
- 軍における一等兵と軍曹の上下関係を正しく説明できること(日記8月31日付参照)
- バーリー語「パッヂャーミット」の意味を正しく理解できること(日記6月21日付参照)
- 夜の街へ頻繁に出かけないこと(日記8月26日付・8月27日付参照)
- キスに耐え得る容貌であること
- 本人または両親に日本在住の平均的な日本人以上の経済力があること(日記8月3日付・8月16日付参照)
タイに特別な感情を抱いている一部の日本人男性たちのあいだで人気がある平均的な娼婦では絶対に①②④⑥⑨の要件を満たすことができず、かつ、平均的な学生でも⑥の要件は満たせないと見越したうえで、そう答えた。
*後日、クラスメイトたちに質問してみたところ、全員が①②③④の要件を、ほぼ全員が①②③④⑤⑦⑧⑨の要件を満たしていたが、⑥の要件を満足させることは誰にもできなかった。
「つまり・・・・・・能力重視で恋人を探すんだね? なんか、どこかオカシイような気がするけど、その条件を満たす人ならこの辺に100人はいるだろうから、誰か適当に選んで付き合ってみたら? ここの学生が売春なんかするはずないし、仮に半数が容姿で落第しても、それでもまだ半数は残るんだよ。家柄や教養についても申し分ないはず。キミは今、その贅沢な条件を極めて高い水準で満たしてくれる最高の女子学生たちであふれかえっているヂュラーロンゴーン大学にいるんだよ。なんだったら、せっかくだから代わりに話をつけてきてあげようか?」
このような経緯で知り合った自習仲間たちとサヤームスクウェアにある Starbucks Coffee で待ち合わせ、サヤームセンター1階にある珈琲屋 UCC で昼食をとってから、ヂュラーロンゴーン大学の中央図書館へ行ってペーパーを書いた。午後9時にプワングチョンプー学生寮前の食堂で夕食をとり、午前1時半まで友人宅でペーパーを書き続けた。