「俺には外国人の観光客を守るという国家から与えられた重大な責務がある。郊外へ遊びに行くときには是非とも声をかけてもらいたい。もしガラの悪いチンピラが目の前に現れようものなら、死を顧みずに全力で抗戦して、必ずや君の命を救うことだろう」
(勤務時間中にトゥクトゥクを運転して、日給にも等しい150バーツもの副収入を得ておきながら、それでもなお公務員としての正義を主張するつもりなのか。そもそもタイの地方都市がそんなに危険なものなのか)
そんなことを考えながら、チアングマイ警察の曹長でサンガンペーング温泉の警備隊長を勤めている男が運転するトゥクトゥク(150バーツ)の後部座席に乗ってチアングマイ市内へ戻った。
昼過ぎ、市場の南にあるホテル「ターペープレイス」(朝食付き一泊650バーツ)にチェックインして荷物を室内に放り出した。これまでチアングマイ市街を一度も観光したことがなかったことを思い出して、旅行雑誌等で有名なターペー門の外側をひととおり見て回ることにした。
そこには、ゲストハウスのほか、Go Go Bar やバービアなどの外国人観光客向けの施設が密集していたが、いずれも極めて貧弱で、なぜこの一帯がこれほど有名になったのか不思議なぐらいだった。
こうして午後9時頃にはホテルへ戻り、先日来長電話を続けている友人と3時間も話し続けた。