「ケイイチ」の記事

エーンも新しい部屋を借りたという。アヌサーワリーチャイサモンラプームちかくのコンドミニアム（家賃3,000バーツ）でリビングと寝室があって、リビングにはキッチンもついているらしい。突然の父親の訪問以来、エーンが「彼氏の家に居候するのは許されないことかも？」と悩み続けた末の選択だった。

「大学院に落ちても絶対にアメリカへ行くな！」そう強い調子で言われても、彼に僕の将来を保証する能力がない以上、僕自身が信じる最善の道を選択するしかない。もし大学院に入学できなかったら次の機会に入学するための方法を模索するだけのこと。

きょうはバレンタインデーだけど、僕もエーンもバイトに出ている。バイトのあと、ラーチャプラロップタワーマンションからスクンウィット13街路にあるスクンウィットスイートへ引っ越す日本人を手伝いながら、タイ人男性が女性にプレゼントするというバラの花を探してみたけれど見つけられなかった。

ヂュラーロンゴーン大学主催の英語検定 CU-TEP の試験結果が集中タイ語講座の講師から速報というかたちでもたらされた。460点。ヂュラーロンゴーン大学は修士課程の出願者に TOEFL 550点 の英語スコアを要求しており、タイ語ができれば500点でも受け入れてくれるという話だったが、さすがに460点ではそれも望めない。

タイ人妻はカラオケスナックで働いているホステスの友人で、日本へ行くために業者に国際結婚の仲介を依頼して、結婚相手の日本人男性もすぐに見つかったという。バンコクで会ったのは一度きりで、その後は手紙でのやりとりしかなく、ちょうど日本への関心も薄れたこともあって、いま離婚することを希望している。

朝から日本人の会社へ行って、業務拡張にともない新たに契約する新事務所の賃料をタイ語で交渉した。午後10時すぎにンガームドゥーパリー街路にあるマレーシアホテル1階の古式マッサージ屋へ出かけた。どうやら寝違えてしまったようで首の右側面が痛い。

この4日間ほど時間を見つけてはホームページの改装作業をしている。夕方に友人から電話があってコンドミニアムの契約条件を話し合うために通訳として呼び出された。そのメンバーで午前4時までタニヤ通りにあるカラオケスナックでウイスキーを飲み続けた。

「どうして MOS から RCA へ移動したのよ？ あなたの友達がナンパをするんだったら絶対に MOS しかない。 RCA でナンパするんだったら･･････そうねえ、高校生とか大学生じゃなきゃ女の子に相手にしてもらえないんじゃないかしら。あなたと一緒に行った友達って何歳だったの？」

「家出して彼氏と同棲している女の世間体がどれだけ悪いかについては知っているでしょう？ ああ、やっぱり同棲していないことをアピールするためにも、わたしはアヌサーワリーチャイ（戦勝記念塔）ちかくのアパートを借りるべきだったのよ」

このホームページを本格改装することを決めて、さっそくボケーッとしながら作業に取りかかった。少し時代遅れな感もするけれど独自ドメインを取得してレンタルサーバー会社と契約した。

店主からの依頼を受けてホステス全員にタイ語でクビを通告した。ホステスたちの反応はさまざまで自らの実績をアピールして残留を主張する者、長きに渡る信義を裏切ったと抗議する者、あっさりと荷物をまとめて店を出て行く者など十人十色。けっきょくホステス総勢24人のうち店にとどまったのはたったの4人だった。